闇系
「おめでとう、生きてる」昼下がりのゴミ捨て場、見覚えのある男の声で目が覚めた。空腹で金もない千紘(ちひろ)は新しい”家”探しに訪れた行きつけのバーでド好みの男・ケイトに目を奪われ声をかけると好感触。まさかのホテルに誘われ、いい雰囲気になったと…
この出会いは、間違いなんかじゃないーーフォトグラファーの学(まなぶ)は仕事が上手くいかず自暴自棄になっていた夜、路地裏で気を失っているイオリを見つける。痣だらけだが妙に色気のあるイオリに惹きつけられた学は、気づけば夢中でシャッターを切ってい…
兄の目を覆い隠し、己の欲望の猛るままに体を貫いた。あれから何度も何度も交わっている。兄との道ならぬ愛は、閉塞感を極めていく。夏の盛り、竹蔵は兄夫婦と別荘で休暇を楽しむことになった。義理の兄である忍との関係を露ほども疑っていない義姉から女性…
比良木忍(ひらきしのぶ)は兄といっても、血の繋がりはない。義理の兄だ。竹蔵(たけぞう)は後妻の連れ子として比良木家に迎えられた。兄はいつも冷たく汚物のように竹蔵を見下す。深い嫌悪と増悪に満ちた射殺すような視線。毎日毎時毎秒、兄に殺され続けてい…