【恋なんて、もうできないと思っていたーー。】
ある出来事からピアニストの夢を諦めかけ、
バイトと身体を売ることで生計を立てている奏(かなで)。
ある日、ラウンジプレイヤーの仕事で、謎の男・戈木(さいき)と出会う。
ピアノの腕を素直に褒める彼に、
奏では過去のトラウマと重ねながらもほのかな恋心を抱く。
誘われるがままについて行った戈木の部屋で、
「俺の専属ピアニストにならないか」と提案され…!?
表紙が綺麗ですね~。素敵です。
中身もそれはそれは綺麗です。
だって、主人公がピアニストですもの。ストイックで高貴なイメージです。
奏はピアニストで、見目麗しい儚げな美少年なんですが、
副業で、なんと!…身体売ってます。
ピアノを弾き続けたいけど貧乏でお金がない…、ので身体売ります!的な。
いや、いいんだけどさ、いいんですけどもさ、
身体売る以外でお金稼ぐ方法はなかったですかい?
楽しくて身体売ってるんならいいけども、読む限りではそうでもなさそうで、
”ピアノ弾いてるから手を縛らないでほしい…” って、
その日の相手の男に言ってたりするし。
ある日、眉目秀麗な社長・戈木さんが、
奏のピアノの腕前と奏自身を見初めて、パトロンに名乗り出ます。
しかし、身体を売っているという後ろめたい行いと、
ピアニストとしての能力にも自信を失いかけていた奏は、その申し出を断ります。
が、戈木さん自身に惹かれ始めている自分がいて…。
昔、とあるBARで楽しそうにジャズを弾いていた男に、心を救われた過去がある奏。
実はそのジャズピアニストが戈木さんであり、奏がずっと探し求めていた人でした。
戈木さんのように自由に自分のピアノを弾きたい、自分の音を奏でたいと思う、奏。
そして、それが出来た時、戈木さんの恋人として傍においてほしいと伝えます。
その後、戈木さんが主宰する船上パーティで、色んなことを払拭した奏は、
大勢の人の前で初めて自分のピアノを楽しく弾くことができました。
戈木さんともいい感じになれて、良きかな良きかなというお話。
全体的に、最初に言った通りたいへん綺麗な作品です。
悪い人出てきませんし、乱暴なプレイなんてありません。
ただただ綺麗なピアニストお2人が、時に切なく、
そして楽しげにピアノを奏でております。
ちょっとピアノの上でHしちゃいますけど、そのHも非常~にきれいです。
たまにはね、こんなキレイな作品も読まないとです。
でもね、やっぱ心が薄汚れはじめてるんですね、きっと。
ちょっと物足りない気がするんです。
もっとがっつり来いよ!って思ったりしちゃうんですよね(笑)