しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『俺しか知らないカラダ』(作者:薄井いろは)

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「セックスしてくれないか?一度だけでいいから」
卒業式の日、高橋を呼び出し告白したのは、寡黙な優等生の石黒。
男同士でって、正気か…?
疑う高橋だったが、ただ「抱いてもらえるだけでいい」としか
望まない石黒に興味を持った。
雑に抱かれても跳ね悦ぶ石黒のカラダは、
言葉にせずとも全身で好きだと訴える。
そんな石黒を前に、他人に執着する気持ちを忘れたはずの高橋は…!?

 

この作品、読まず嫌いでした。どうも高橋くんの太眉が好きになれなくて。

しかもいじわるそうな目してるし…。

というか、いじわるでした高橋くん。

いや、いじわるというよりも感じ悪い子でした、高橋くん。

バンドやっててギター弾いてて、

女子にモテモテでチヤホヤされてて、それを鼻にかけてて。

いわゆる、カースト上位の人間ですね、高橋くん。

 

そんな高橋くんを、なんで好きになった?石黒くんよ。

「セックスしてくれないか…?」 

おいおい、そんなことよく言えたな?石黒くんよ。

君は、いわゆるカースト下位の人間だよ。

いくら卒業式当日だからって、

もうみんなとおさらばだから関係ねぇって言ったって……、

褒めてつかわす!その勇気、褒めてつかわす!(←何様だ、^^;)

 

石黒くんはずっと胸の奥に閉じ込めていた想いを高橋くんに伝えるんです。

”セックスしてくれないか?” 一大決心ですよ。

そしたら高橋くん ”ニヤ” ってヘラついて、”いいよ” って。(えっ?! いいの?)

 

石黒くん家でさっそく致す2人。

超エロかったです。

18禁版を買ったので、超エロい~のでした。

しかし、この濃いエロに、

2人の関係性が変わりゆく様が如実に表れておりました。

18禁だから伝わる想い(エロ)があるんです。

 

”おまえにハマるつもりはないからな” と、石黒くんに釘をさす高橋くんです。

それでもいいんだと。

一度だけでいいから好きな人に抱かれたいという石黒くんの切なる想い。

だから、少しでも優しく抱いてあげてねと思ったのに……!

高橋くんよ、乱暴ではないが、石黒くんの気持ちそっちのけではないか。

完全におもしろがっているじゃないか。

てめぇコノヤロー!眉間にシワ寄せたろか!って思いそうになったところ…、

おや?高橋くん、どうしました?

涙を浮かべながら、

”こんなことさせてごめんね” と高橋くんを気づかう石黒くんに、

おもわずキスをする高橋くんがいました。

 

またヤろうぜと言って石黒くんと連絡先を交換した高橋くん。

その後ライブ活動やら、女子とイチャついたりなどしておりましたが、

なぜか石黒くんの顔がチラつきます。

俺のことが好きなのにまったく連絡を寄こさない石黒くんにイラつきます。

だから、来ちゃった♪って、石黒くんの通う大学に行っちゃいます。

そこで、他の男子学生と笑顔で会話する石黒くんを見て、

ムカッときちゃいます。(俺のこと好きなんじゃねぇのかよ!と)

お分かりですね。

完全にヤキモチ焼いています、高橋くん。

めちゃくちゃ気になってます!

 

その日から、頻繁にセックスするようになった2人。

だけど、石黒くんはいつでも受け身なんです。

自分から高橋くんに連絡することもなければ、

自分からキスすることもないし、セックスしたいと言うこともない。

なぜなら、初めて高橋くんとHした卒業式の日。

一度だけでいいからと言って抱いてもらった。

それだけで十分だったのに、

おまえにハマるつもりはないからと言いながらも、

それ以上のことを高橋くんはしてくれた。

だから、これ以上望んではいけない。

高橋くんは本気じゃないんだから、

もう離れなきゃいけないと思う石黒くんなのです。

 

そんな石黒くんの様子を察知した高橋くんは、

”俺にどうされたいか望むことをちゃんと言って” と言います。

いつの間にか石黒くんに溺れてしまっていた高橋くんは、

”おまえをずっと俺のものにしておきたい” と伝えます。

そして、”僕を一番好きになって、もっと愛してほしい” と、

ようやく自分の気持ちを告げられた石黒くん。

あとはもう~エロのエロがエロエロです(^^)

 

18禁の力って偉大だなと思いました。

ストーリーの身の入りが格段にパワーアップしますし、

もわっとした白いカムフラージュが無い分、物語が生きてる感じ。

まさか自分が18禁に対してこんなウェルカム体質になれるとは(^^;