整備士の長谷(はせ)には忘れられない人がいる。
それは高校時代、罰ゲームで告白し酷い別れ方をした灘口(なだぐち)だ。
卒業後は会うこともないだろうと思っていたが、
灘口が長谷が勤める会社に入社してくる。
気まずさを感じる長谷にある日、灘口は「長谷のこと好きだ」と告白してくる。
3月です♪
春の走りにふさわしい作品『その好きほんと。』
「胸キュン」とはこの作品のためにある言葉ではないかと思う。
そのぐらいすごく胸がぎゅんとして切なくて愛しくなる物語です。
灘口くんの流す涙がそれはそれはきれいで、もらい泣き不可避です(TT)
長谷くんと灘口くんは高校の同級生で、
特別に仲が良いこともなく、ただ顔を知ってるってだけの2人でした。
ある時、ゲームに負けた長谷くんの罰ゲームとして、
「灘口に告ってこい」との命令が友達から下され、
渋々、長谷くんは灘口くんを呼び出し 、
”好きです!つきあってください!” と告白します。
すると ”うん…よろしく” と、灘口くんがOKの返事をしました。
高2の夏、2人はお付き合いを始めました。
長谷くんが罰ゲームで告白してきたことを
灘口くんは知っていました。知っていたけどそれでもよかったのです。
長谷くんのことが好きだったから。
ある日の放課後、いきなりキスをしてきた長谷くんに灘口くんは言います。
”キスも罰ゲームの命令なんだろ!” と。
”おまえの顔なんて二度と見たくない。俺はおまえが嫌いだ!” と。
売り言葉に買い言葉で、
長谷くんも ”おまえのことなんか好きでもなんでもねぇ” と、
灘口くんに告げてしまいます。
そのまま一言も喋らず卒業して、一生会うこともないと思ってた。
「28年間生きてきた。
その中のたった1ヶ月しか関わっていないのに忘れられないやつがいる。」
社会人になった長谷くんの前に、
忘れられないやつ=灘口くんが立っていました。
ずっとずっと会いたかったやつ。今でもずっと好きなやつ。
長谷くんの勤める会社に中途採用で入社してきたのが灘口くんでした。
ぎこちない態度の長谷くんに灘口くんがかけた言葉は、
”長谷のことが好きだから俺とつきあってください” でした。
あの日の復讐か?と思う長谷くんですが、
”はい” とOKの返事をしました。復讐でもよかったのです。
灘口くんのこと、ずっとずっと好きだったから。
長いブランクを経て、2人は再びお付き合いをはじめました。
ぎこちないデートを重ね、
お互いの何気ない言葉や表情に密かに胸をときめかせながら、
「恋人ごっと」を続けます。
しかし、こんな不毛なゲーム、もう終わりにしなきゃいけない。
高2の夏から止まったままのこの気持ちをどうか終わらせて欲しい。
お互いにそんな思いを抱えていました。
水族館デートの帰り、
突然の雨に降られた2人は長谷くんの家に避難します。
長谷くんのにおいに包まれた灘口くんは、長谷くんにキスをします。
”罰ゲームの仕返しでこんなことする必要ない!” と言う長谷くんは、
”ずっと灘口のことが好きだった” と本当の気持ちを告げます。
そして、”嫌いだとはっきり言ってくれたらもうあきらめるから” と。
その言葉を聞いた灘口くんは、
”嫌いなんて言えるわけない…ずっと最初から長谷のことが好きだ” と、
自分の胸元をぎゅっとつかんで、ポロポロと涙をこぼしながら言います。
ようやく気持ちが通じ合った2人。
高校の時の分も合わせて、いっぱいおまえを大事にしたいと言う長谷くん。
その優しさあふれるエロに少々戸惑う灘口くんですが、
長谷くんの甘さに心地良さを感じ始めている今日この頃なのです(^^)
冒頭でも言いましたが、
灘口くんの涙に全部持ってかれました。
こんなきれいな涙、知らないです。
高校の時、長谷くんへの想いが壊れた涙や、再会して想いが再燃した涙。
そして、想いをあきらめようとした涙と気持ちが届いた涙。
全部にもらい泣きします。
いい感じに涙して、幸せな気持ちに浸れるとても良い作品でした(^^)
良い春が来そうです♪