白く零れ落ちる、空っぽの愛だけをくれ
男娼と付き人ーー交わされる、声なき咆哮。
妹の借金を返済するため、ゲイ向けデリヘル「Rain」の人気男娼・シロの
付き人として働くことになった信虎(のぶとら)。信虎の顔と体が好みだと言い、
セクハラを繰り出してくるシロに対して一線を引いて仕事する日々だったが、
ある夜、客からの暴行で傷ついたシロの姿とふいの言葉が忘れられなくなって
しまい…。欠けて凍えた心の奥底には、愛への狂おしい呻きがあった。
さぁ4月です♪
すこぶる切ない系BLで新年度スタートです!
「男娼」っていいですよね。
背景に高確率で仄暗い過去があって、それゆえに自己肯定感が低い。
所詮、俺なんて身体売るしか能がねぇんだ…的な。
そこに落ちて行ってしまった境遇を思って胸が痛くなり、
そこから救われた時の安堵感に涙する。
そんな「男娼」がわたしは大好きだ(^^)
ゲイ向けのデリヘルで人気No.1の男娼シロは、まさにそれで、
クソ親父のせいで子どものころから売りの仕事をさせられていました。
そこから抜け出す術を知らないまま大人になり、
今ではこれ以外の生き方など考えること自体をやめ、
「無」の境地で、指名を受けてはホテルに出向く日々を過ごしています。
そんなシロを救い出してくれたのが虎です。
シロお抱えの運転手兼付き人として雇われた信虎(=虎)。
シロを送迎するだけの簡単なお仕事のはずが、
いつも憂いを帯びて、
どことなく自暴自棄に見える表情を浮かべるシロに惹かれてしまいます。
なぜこんな仕事をしているのか?
男が好き?or 金のため?と聞く虎に、
シロは ”俺にはこれしかできねぇから…” と一言。
シロには、どうしても振り切れない過去がありました。
「時雨(しぐれ)」という名の優しい人=辛い過去。
その過去が足枷となり、虎の元へ走り出せずにいたんです。
”どれだけ変わりたいと思っても犬は犬のまま生きてくしかない…”
一人、夜の街に立つシロは、
自分を痛めつけるかのように、身体を投げ出す日々を送ります。
この辺りから、胸が痛くて泣きそうになりますが、
虎がシロを迎えに来てくれた時のものすごい安堵感、
さらに、その後のシロと虎の幸福感に心が満たされ存分に涙す(T^T)
yamaさんの「Oz.」という曲の歌詞がふと思い出されました。
♪あなたが強がるのならば
キミの弱さをそっと抱きしめるよ
ひとりぼっちにはさせないでよ
ひとりぼっちにはさせないよ
ずっとひとりぼっちだったシロに、
ひとりぼっちにはさせないよと虎が抱きしめている光景が浮かんで、
存分に涙す(T^T)
以前『バイ・マイ・サイド』というナツメカズキ先生の
感想を書きましたが、やっぱり先生のストーリー最高ですね。
受けの一途で健気な気持ちにきゅんとなり、
攻めの優しさと男前さに心動かされます。
プラスこの絵!
切れ長の目、尖ったアゴ、ゴツゴツした身体(と乳首!いい乳首なんだ~)
いい感じなんですよね~。めちゃくちゃ好きです。
わたしの中では、似た絵ライン上に上田アキ先生もいて、
このラインの絵を柔らかくした感じのところにウノハナ先生もいたりする。
三者三様、お3人先生方好きです(^^)