しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『オーバー・スコール』(作者:上田アキ)

       

5年間の恋が、一瞬で終わった。
断ち切れない想いを胸に抱えたまま、思い出の公園でひとりぼんやりと
していた夏朗(なつろう)に声をかけてきたのは、別れたばかりの恋人に
どこか似ている男・梅雨彦(つゆひこ)だった。
かわいそうなのを放っておけないと半ば強引に連れ帰られ多くの言葉を
交わさず、元彼を重ねて自分を抱けばいい、と梅雨彦に流される形で
一時の快楽に溺れてしまう。自分でも知らなかった一面を暴かれるような
セッ〇スの後、再会の約束をして無邪気に微笑む梅雨彦に夏朗の中では
何かが確実に変化していたが、彼はやっかいな性癖を抱えていて…。

 

去年の11月1日に書いた感想回『ワンダー・ボーダー』の

スピンオフ作品である『オーバー・スコール』。

『ワンダー・ボーダー』にて、

洋春(ひろはる)くんにフラれた夏朗さんの幸せを見届ける物語です(^^)

 

花びらが舞い落ちるベンチに腰掛ける夏朗さん。

5年間の恋が一瞬で散ったあの日から一週間。

降り積もる花びらのように未練もうず高く積もるばかり…。

思い出しては鼻の奥がツンとして涙がじわりと浮かびます(T^T)

 

5年間の恋は重いです。

そんなね、すっかりきれいにスタスタ明日に向かって歩いてけませんよ。

ねぇ夏朗さん…って言おうと思ったら、

全力猛ダッシュで走り出してたわ、夏朗さん(笑)

”どうしたの?” と、泣いてる夏朗さんを見つめる、

見ず知らずの若者に手を引っ張られてベッドにダッシュ

全部すっ飛ばしていきなりHに猛ダッシュ

えーっ!!どうしたんですか?夏朗さん?

恋に真面目で一途な夏朗さんが身体から入る恋ですか?!

 

この若者はまだ大学生の梅雨彦くんといって、

ちょっと洋春くん似でふわっと柔らかい表情を浮かべて、

夏朗さんに声をかけてきました。

感情のタガが外れた夏朗さんは彼を激しく抱きつぶしていたのです。

 

恋で傷ついた心は新しい恋で癒すと言いますが、

その一夜から、確かに夏朗さんの心のパーセンテージは

徐々に梅雨彦くんで占められるようになっていました。

”好き…になってるな…梅雨彦くんのこと” 

そう思い始めた夏朗さんにまたしても試練が…(>_<)

 

ある日、梅雨彦くん家を訪ねた夏朗さんが目にしたのは、

ベッドで他の男とまぐわう彼の姿でした。

しかも梅雨彦くん悪びれることなく、呆然と佇む夏朗さんに、

”今、彼を慰めてるからちょっとだけ待ってくれる?” なんて言う。

(なんでだよ~なんでそんなことすんだよ~梅雨彦…T0T)

 

梅雨彦くんはどうやら心拗らせ男子みたいで、

可哀想な人を見ると放っておけない。

さらにそういう人を見ると勃ってしまってHしたくなるという、

もう~どうにもこうにも難解な拗らせ男子でした。

なんでこんなややこしや~な男の子を

好きになっちゃったんでしょうね、夏朗さんは…。

 

でも、夏朗さんは強くなっていました。

フラれて肩を落として涙を堪えるあの頃の僕にはもう戻らない!

梅雨彦くんの「かわいそうな人」達のひとりでは終わらない!

僕が君を救ってみせる!(いいぞいいぞ夏朗さんー♪^^)

♪ロッキーのテーマとか流れてきそうだけど、(笑)

そんな激しいことはなく、

ただ梅雨彦くんの側で普通に過ごす。

普通にご飯を食べてしゃべって買い物してゲームして。

ただ繰り返しひたむきに ”好き” って想いを伝える。

NO!セッ〇スです。したいけどしません。

セッ〇スとは想いが通じ合う者同士が、

本当に好きだと思う者同士がするものだからと。

 

夏朗さんの根気強い想いが実を結んで、

梅雨彦くんはようやく「好き」を理解することができました。

心から好きな夏朗さんとついに、

本当の気持ちいいHを致すことができました(^^)

 

まぁ~今回もいいHでしたよ♪

梅雨彦くん、久しぶりのHだったから、

夏朗さんに乳首吸われただけでイっちゃって、

どんだけ気持ち良さげかよって感じでした。

上田アキ先生の作品は白抜きであってもエロさ格別なんですけど、

もしか、これチ〇コ白抜き修正じゃなかったら、

超絶悶絶の狂喜乱舞で恐悦至極の極みを味わえるだろうな。

(夢想するか…^^;)