しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『路地裏のバラッド』(作者:ハルタJACK)

      

この出会いは、間違いなんかじゃないーー
フォトグラファーの学(まなぶ)は仕事が上手くいかず自暴自棄になっていた夜、
路地裏で気を失っているイオリを見つける。痣だらけだが妙に色気のある
イオリに惹きつけられた学は、気づけば夢中でシャッターを切っていた。
その後自宅に連れ帰ると、イオリは世話になる代わりに身体を差し出そうと
する。煽られるままに抱く学だが、痣にまみれたしなやかな身体を貪るうちに
芽生えたのは、初めて味わう高揚感と暴力的な願望。
そして、学の行為は徐々にエスカレートしていきーー?

 

「メリーバッドエンド」略して「メリバ」とは、

物語の主人公たちは幸せを感じる結末を迎えているが、

読み手は逆に、むしろ不幸な結末じゃない?と感じている。

幸か不幸かの解釈が受け取り方によって分かれる結末のこと。

 

最初は何だかよくわからなかったです、このメリバってやつが。

バッドエンドが匂うやつは後味が悪いので

出会いそのものを避けていて、あんまり読んでない(^^;

過去に、中村明日美子先生の『薫りの継承』。

これぐらいじゃないかな?メリバっぽいのは。

(去年の11/29に感想書いてるわ)

(やっぱブログって良いですね。すぐに過去を振り返れる♪^^)

 

これを入れると2冊目?になるのでしょうか。

これぞメリバ!と思った本日の1冊でございます。

闇BLっぽい匂いもいたしますこちらの作品は、

ハルタJACK先生、初読み作家さんです。

まず絵がすーっごいキレイです!美しい!

ふと、主人公の学がドラマ版の『美しい彼』に出演されてた

八木勇征さんに似ているなと思いました。

なんか髪型とかが似てるな~と。(個人的見解です…笑)

 

ストーリーはとにかく痛くて、結末はちょっとモヤっとしました。

路地裏で身体中痣だらけのイオリと出会った学。

痣だらけで横たわるイオリの姿に高揚感を覚えた学は

夢中でシャッターを切ります。写真をやってるんですね、学は。

だけど全然良い写真が取れなくて、

ゴジップ記事に載せる写真ばっかり撮ってる。

世の中クソだと自暴自棄になっていた時にイオリと出会う。

久々に撮りたい!と思える被写体に出会った学なんですが、

良い方向に行くのかなと思ってたら、全っ然!

写真のモデルになってもらうのを条件にイオリを居候させるんですけど、

日が経つにつれ身体の傷が癒えていくイオリを見て、

”違う…俺が求めてるのはこれじゃない…” って思うんです。

そしてイオリを傷つけ始める…(-_-;)

イオリを乱暴に扱えば扱うほど高揚感を覚える学なのです。

 

なんでそうなるかな~と思ってしまうのですよ。

もっと違う方向へ進めなかったのかな~と。

でも、当のイオリがそれでいいって言うから。

学と出会わないよりかは、

こうやって傷つけられても一緒にいられる方が良いって。

ええ~!?だめだろ~!?って思うんですけどね。

本人たちがそれでいいと言ってるので、まぁしょうがないです(^^;

 

まさに「メリバ」な1冊でした。

わたしは不幸よりの受け取り方でしたが、

さぁ、世の中の読者の皆さんはどう解釈されるのでしょうか。

読み手によって感じ方が分かれる作品もおもしろいものですね(^^)