しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『羊の皮を着たケモノ』(作者:九號)

     

一流企業勤めで、金も将来性もある超イケメン。
しかも出会って三ヶ月で婚約した!? 姉が連れてきた恋人の井川(いがわ)に、
内心驚愕する大学生の・大地(だいち)。外面はいいけど、家ではガサツで
我儘な姉と、欠点がなさすぎて逆に胡散臭いこの人がなぜ…!?
初めは違和感が拭えず警戒していた大地。けれど、就活や人生相談に乗って
くれる大人の男に、次第に心を奪われていき…!?
これ以上、近づいたらマズい。この人は、姉貴の婚約者だ…。

 

九號先生、やっぱり最高です!

ストーリーが練り込まれててすごくイイです!

ほんで絵もイイから、結果めちゃくちゃイイんです!(語彙力…)

ほんとに絵がきれい。好き。

 

お姉ちゃんの婚約者を好きになっちゃう弟。

えっ!?どうなんの?姉と弟の関係こじれない?と思うんだけど、

よく出来てます、ストーリーが。

お姉ちゃんの婚約者・井川さんが「羊の皮を被った狼」なのです。

自分の正体を隠した悪人だったんです。

それにまんまと騙された姉弟

打ちひしがれた姉ちゃんの仇を討つため、

弟・大地は1人で井川に立ち向かいます。

 

ところが井川は単純な悪人ではなかった。

ずる賢いバカな悪人であれば、

戦って憎んで蔑んで終わることができたのに、

根っからのワルじゃなかったがために、

羊の皮の下に、

ちらりと見える不器用な優しさを知ってしまったがために、

大地は井川を忘れるどころかどんどん好きになってしまいました。

 

大地の向こう見ずな行動にかなり胸キュンを覚えました。

無視を決め込んでいた井川もさすがに助けに入るほど、

大地の井川に対する想いは思っていた以上に強かった。

その後のシーンで、

”ちゃんと傷つけてくれないと忘れることができない”

って大地が井川に言うんです。

そしたらすごく乱暴に大地を抱くんです、井川が。

首根っこ押さえつけて。

ちらっと見えた井川の表情は、

傷つけているのにとても辛そうな顔をしてた…。

印象的なシーンで好きなところです。

 

その後、4年ほど時が経って2人は再会します。

つっけんどんな井川の性格は相変わらずですが、

大地はとても強く逞しく成長していて、

大きな愛情で井川を包み込むカッコイイ男になっていました。

これがいわゆる「ケツで抱く」ってやつだなと思いました(^^)

実際、ケツで抱くシーンが描かれてなかったのが口惜しい!

続編出たらうれしいけど、番外編とか短いのでもいいや。

両想いになった2人のイチャエロが見たいです♪

 

九號先生の作品は、

胸キュンを通り越して胸がジンジンと痛くなる。

とても切なくなるんだけど、

最後にそれが全部回収されて良い終わりを迎えるので、

読後感がすこぶるイイ!

あ~また読みたい!って思っちゃうんですよね。