しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『蛇喰い鳥』(作者:芽玖いろは)

     

夜の街で偶然、男同士のSEXに遭遇した二条(にじょう)。
翌日の大学で抱かれていた方の男を見かけ、彼・千鳥(ちどり)が
大学職員だと知る。昼間に大学で見る彼と、夜の街で男に抱かれて
喘いでいた彼。二条は、その二面性が気になり始める。バイト先に
訪れた千鳥と話すと、妙に色気を感じるし、笑顔が可愛いと思った。
もっともっと色んな顔が見たくて、たまらなくなって…。

 

飲食店の個室トイレで、

あはんうふん♪とHに励む現場に遭遇しちゃった大学生。

しばらくして男と連れ立って出てきた

うつむき加減の彼の横顔をちらりと覗き見て、

どっかで見たことあるな…?と思ったら学務課の職員さんだった!

 

こんな感じの展開、なんか似たようなのあったよな~と、

頭の中の引き出しをごそごそしていたところ、

『ハダカよりも奥深く』薄井いろは先生の作品だとわかりました。

なんと名前も「いろは」と一緒!

この作品も、大学生と大学職員さんのエロい関係を描いていました。

嫌いじゃないわ、この関係(^^)

 

ひとつ違うところは、今作の『蛇喰い鳥』は、

学務課職員さんの千鳥さんが、

初めから大学生の二条くんを狙っていたというところでしょうか。

メガネの奥でキラリと輝く眼光鋭い目つきが、

まさに上空から獲物を狙う、大型猛禽類の「蛇喰い鷲」のよう。

”大学で会えるうちに君を落とせてよかった” 

そう言ってニヒルに笑う千鳥さんに少し背筋がぞわっとしました(^^;

 

二条くんがあの日、

個室トイレで千鳥さんのH現場に遭遇したことも、

もしかしたら千鳥さんの計算の内だった!?

だって、その日から二条くんは千鳥さんの顔を見る度に、

千鳥さんが色気たっぷりにエロく乱れる様を思い描いちゃって

一人Hが止まらないんだもん(^^;

 

俺が千鳥さんを乱れさせたい…!

そんな願望が叶う日がやってきました。

バイト帰りにふと見たら、

駅の入り口で終電を逃して佇む千鳥さんがいました。

しかも雨降りで傘も持ってない様子。

”よかったらウチ来る?” と声をかけた二条くん。

家に入るなり、千鳥さんの携帯が鳴ります。

一晩限りの男からのお誘いの電話でした。

”そんな男、切ってよ…” と言って千鳥さんにキスをする二条くん。

そっからはもう~千鳥さん主導のお色気劇場♪

千鳥さん慣れてますから、二条くんの上に乗っかるんですけど、

なんせ若い大学生だから、暴れ馬のように荒々しく突かれるんですよ。

主導権握ろうと思ってたのに、

とんでもなく気持ち良くなっちゃった千鳥さんに興奮いたしました(^^)

 

その後は、

二条くんにまとわりつく女の子の影に嫉妬する千鳥さんや、

千鳥さんを好きすぎてがっついちゃう自分を制御しようと

がんばる二条くんが描かれています。

同時収録で『噂のふたり』という短編も入っていました。

こちらは、モテモテDK男子2人のこじらせ恋物語

可もなく不可もなくという感じでした。

 

芽玖いろは先生、初読み作家さんでした。

描かれるキャラたちの切れ長の目が印象的です。

一見、目つき悪そうでガラ悪そうに見えますが…、(^^;

それがかえって、なんか色気あってエロくて良いです。

『蛇喰い鳥』に番外編があることをこれを書いてて知りました。

『印 -marking-』気が向いたら読んでみようかな~。