しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『ひだまりが聴こえる』(作者:文乃ゆき)

 

あいつ、耳聴こえねーの?難聴のせいで何かと誤解を受け周囲とうまく
馴染めない大学生の航平(こうへい)は、いつしか人と距離を置くように
なっていた。そんな時に出会った同級生の太一(たいち)。バカみたいに
明るい性格で思ったことを何でも口にする彼から「聴こえないのはお前の
せいじゃないだろ!」と言われ、航平はその言葉に心底救われて…。

 

何年かごとのサイクルでドラマや映画になったりする、

”耳が聞こえない人” を題材にした物語。

ひと昔前には、常盤貴子さんと豊川悦司さん主演のドラマ

愛していると言ってくれ』というのがありました。

ドリカムが歌ってた主題歌がめちゃくちゃヒットしたりね。

トヨエツ旋風が起きたりね。

手話教室が定員オーバーになるくらい受講生がいっぱい来たりね。

諸々ヒットしたドラマでした。(毎週欠かさず観てたな~^^)

現在は『silent』でしょうか。

確か目黒連さんが耳が聞こえない人の役どころでしたかな?

どちらも、

耳が聞こえないというハンデを背負った人と健常者の歩み寄りの難しさや、

逆に寄り添う優しさなんかに感動を覚えるドラマです。

 

そしてなんとBL界にも、

”耳が聞こえない人” を題材にした名作が生まれていました。

「BL初心者ならまずこれを読め!」リストに、

必ずランクインしている今作『ひだまりが聴こえる』。

難聴の大学生・航平と万年金欠の貧乏学生・太一。

今のところ友達以上恋人未満の2人が、

少しずつ少しずつ距離を縮めていく。

耳が聞こえないことで人を避けるようになった航平に、

お金は無いが元気は有り余ってる太一が、

グングン航平の心の中に侵入していく。おそらくノックもせずに(^^;

しかし、なぜかそれを心地良いと感じる航平。

 

良い意味でですが、太一は ”耳が聞こえない” ってことを

別に大した事じゃないと思ってるように感じました。

特別な事じゃないってふうに。

聞こえないのは仕方のない事なんだから、

それならそれで声を大にして助けを求めれば良い!と。

隠す必要もないし、

そのことで誰かが何か言うならば言い返してやる!的な(^^;

聞こえない航平にしてみれば ”何を言うか!?” という感じでしょうが、

裏も表もなく嘘のない太一のその言葉に、

何か言いようのない安心感=コイツの前では素の自分で居られるっていうような、

そんな心地良さを感じたんじゃないかなと思いました。

自分を作ったり飾ったりしないで良い人と一緒にいるのほど、

楽なことはないですからね(^^)

まさに「Just The Way You Are」です♪ (by ビリー・ジョエル)

 

その心地良いという思いは、いつしか航平の中で、

太一を特別に想う気持ちに変わっていきます。

一人で居るのが一番良いと思っていた航平が、

太一との出会いによって変わり始めた。

どこか吹っ切れたように、ちょっとずつ強くなってる感じ。

それとともにだんだん笑顔も増えて、

太一の前でよく笑うようになりました。

そんな航平の笑顔に太一の胸が ”ドキン” と跳ねた…。

この気持ちは一体なんぞや?!の太一(^^)

 

まだまだ、

”いつも一緒にいる仲の良い友達止まり” の2人で終了した今作ですが、

まだまだ続々と続編があるんですね~。けっこうあるんですね~。

『ひだまりが聴こえるー幸福論ー』からの、

『ひだまりが聴こえるーリミット1』

『ひだまりが聴こえるーリミット2』

『ひだまりが聴こえるーリミット3』からの、

『ひだまりが聴こえるー春夏秋冬ー』。

こりゃ長丁場です(^^;

まだ読むの追いついておりませんが、

2人の進展具合が気になるところです。