しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『アケミちゃん』(作者:丸木戸マキ)

 

前科持ちとなり、大学を中退した蒼介(そうすけ)は、金の無心をしに
病院経営をする実家へ戻ってきた。そんな時、寂れた町の一角で、
家業のスナック「アケミ」で働く元同級生の静雄(しずお)に再会する。
女顔をからかい「アケミちゃん」と呼んでいた過去から苦い顔をする
静雄だが、実家を追い出された蒼介は静雄の家に転がり込んでしまう。
ケンカをしながらも少しずつお互いを認めていくふたりだったが、
ある時、男性教師に無理やり関係を持たされた静雄の過去を知ってしまい…。

 

表題作『アケミちゃん』と『青い影』の2作品収録。

どちらも丸木戸マキ先生らしい物語でした。

凛とした強い主人公がいて、相反するクズ男がいて、

どこか物悲しさを感じさせるストーリーがあって。

どちらのお話もはっきりとした「完結」で終わってないところが、

また含みを持たせる感じで良かったです。

 

クズ男の蒼介に言わせると、

マジでなんのために存在してんのかわからんだっせぇ田舎街にある、

クソだせぇ場末のスナック「アケミ」。

そこで働くシズオは蒼介と一緒の中学に通っていた同級生で、

蒼介の顔を見るなり ”消えろ” と一言。

それもそのはず、

当時から女顔でからかいのネタにされていたシズオ。

母親がスナックを営んでいることから、

”お前もチ〇コしゃぶり上達したか?” やら、

”男、誘い込んでんだろ?” やらと、

散々蒼介らのグループにワイワイ言われてましたから。

 

で、なんでこのクソだせぇ田舎街に蒼介がいるのかというと、

上京して東京の大学に入ったものの、

イベントサークルで悪ノリして「集団準強姦罪」で逮捕。

懲役2年執行猶予5年、もちろん大学も退学処分。

クズofクズ、まさに下衆の極み

そして東京に住めなくなったので、

クソだせぇ田舎で病院を経営する両親に、

金の無心をしに戻って参ったわけです。

まさにKing of クズです(^^)

 

そんな蒼介をシズオは仕方なしにも助けるんです。

(わたしなら放置プレイだぜ…-"-)

実家と縁を切ることを条件に金をくれてやる!

という蒼介の両親がお金の準備をしている間の仮住まいってことで。

その間にシズオと蒼介はなんとなく心を通わせ、

お互いの心に巣くう闇をほぐし合ってゆきます。

本当は自分の犯した下衆行為を心底悔いていること。

その上でもう一度自分の人生をやり直したいと思う蒼介。

本当はこんなクソつまらない田舎街なんか飛び出して、

もっと広い世界で自分の人生を生きてみたいと思うシズオ。

 

数週間が過ぎた頃、

駅のホームでしっかりと抱き合う蒼介とシズオがいます。

”2人で一緒に行こう!もっとやりたいように生きよう!” と、

電車に乗り込む蒼介とシズオ。

2人の未来を乗せて電車が動き出し、ENDを迎えます。

 

ハッピーエンディング?(^^;

2人好き合って一緒に田舎飛び出して行くってんですから、

ハピエンなんでしょうけれど、如何せんわたしには、

”俺、ホモじゃねぇし” なんつって、蒼介がよそで女作って、

シズオがせっせとバイトで稼いだ金を持って行方くらます、

って未来が想像できてしまうんですが…。どうでしょうか(^^;

勝手に未来を想像してしまいましたが、

書き下ろしでは、

ちゃんと真面目に働きながら勉強している

シズオと蒼介が描かれていました。

2人一緒に元気でやっていました(^^)

 

これこそ続きないんですか!と言いたい2作品目の『青い影』。

高校生の樹と葉は双子の兄弟。

テニス部に所属していた兄の樹が、

全国大会を前にして亡くなってしまいます。

樹とダブルスを組んで仲の良かった佐原くんがお線香をあげに

家にきたので、葉は聞きました。

”樹のことが好きだったんでしょ” と。

”キスしてもいいよ” 

樹と同じ顔と同じ声で囁く葉に、昂った気持ちをぶつける佐原くん。

なんと、ここで終了~。

えーー!!終わりでふか!?ここで終わりでふか!? (フガフガしました^^;)

まぁいいか。

色んな未来を想像できる含みのあるエンディングってことで(笑)

 

 

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