しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『初恋が牙をむく』(作者:英数字)

 

弟と二人暮らしの家田晃生(いえだあきお)には、忘れられない人がいる。
高校時代の同級生の嵯峨(さが)だ。高校生の時に晃生は嵯峨とのキスを
弟に見られてしまう。罪悪感か晃生は嵯峨を遠ざけ、そのまま疎遠になった。
だが、それから十年以上経ったある日、嵯峨は弟の仕事関係者として再び
晃生の前に現れて…!?

 

「えいすうじ」先生かと思ったら、

「はなぶさすうじ」先生でした。失礼しましたです(^^;

 

いやこれ、かなり良かったです!

ぱっと見表紙が地味でね、

どうかな~なんて思ったんですけど、

ものすごいキュンキュンきました。

「再会愛」というのでしょうか。

高校生の頃に淡い恋心を抱き、そっとキスを交わす。

あの出来事がなければ、

そのまま想いを重ねていけたかもしれない。

だけどそのキス以降、

言葉を交わすことなく別れてしまった2人。

それから十数年後、再会しました。

 

ストーリーのオープニング、

2人のキスから始まるシーンに1キュンです。

学生服姿の家ちゃんと嵯峨くんがキスをしています。

若干恥ずかしそうにする家ちゃんと、

”もう一回したい…” と、若干興奮気味の嵯峨くん。

ドキドキするじゃない~♪と、わたくしも興奮気味(^^)

そんな初々しいキスを交わす2人を見ている人物がもう一人。

家ちゃんの弟・みーくんです。

”あっくん、その人となにしてるの?”

小さいみーくんには衝撃的なシーンだったのかもしれません。

”大好きなお兄ちゃんが知らない人とクチュクチュしてる…”

その光景を見て以降、みーくんは言葉を発しなくなりました。

あんなところを見せてしまった僕のせいだと自分を責めた家ちゃんは、

それから嵯峨くんと接触を絶ちました。

 

一方的な別れから十数年経ち、再び出会った2人なんですが、

出会ったきっかけが、何の因果かみーくんつながり。

引っ込み思案で人見知りが激しかったみーくんが

芸能事務所に入ることになり、

お兄ちゃんの家ちゃんがみーくんのマネージャーさんに会うってことで

事務所に行ったら、そのマネさんがなんと嵯峨くんだった(^^)

すげぇーシチュエーションです。

でも、この出会いのシーンがまた1キュンなんですよ。

再会した嵯峨くんがめっちゃ冷たいんです。

家ちゃんが ”嵯峨くん…だよね?” って声かけるんですけど、

”一方的に離れておいて、今更よく声かけれるね” 的な、

超~塩対応なんです。

で、その態度にそっと傷つく家ちゃん。

ああ、もうあの恋は終わったんだなと、

実を言うとまだ全然引きずってたんだけど、

もう終わらせないといけないんだなと。

そう確信する家ちゃんの悲し気な顔に、

胸キュンで心が切な痛くなりました。

 

ところがね、あんな冷たい風吹かした嵯峨くんが、

家ちゃんの家にやって来るんです。

あんなこと言って困らせたいわけじゃなかったんだと。

やっぱりずっと家ちゃんのことが好きだったから、

ほんとのところ、ゆっくりじっくり焦らず、

もう一度関係を築いていけたらと思ってたんだ…って。

そう言いながら、もう~抑えがきかなくなって、

ガバッ!と家ちゃんを抱きしめちゃうんです(^^)

そして、あの日の初々しいキスの続きを今、

ようやく交し合うんですね~。

この場面もあの頃のキスと同じように、

若干恥ずかしがる家ちゃんに、がっつく嵯峨くんの図でした(^^)

初めてヤるのに、

意外とスルンと入っちゃったな~と思ったけど、

そこは「BL is Fantasy♪」としてスルーするのです(^^)

 

表向きは他人のように素っ気ない態度をとるのに、

内心は好きで好きでどうしようもないみたいな、

本当は想い合ってるんだけどなかなかスムーズにいかない2人、

というシチュに悶絶級の胸キュンを覚えてしまいます。大好物です。

この作品はそんな胸キュンにプラスして、

家ちゃんの切ない涙にもらい泣きしぃーので、

読み返し必至の良作品です。

地味系ですが、一読の価値ありでございます。

 

 

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