しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『よるとあさの歌』(作者:はらだ)

   

女にモテたくて仲間とバンドを始めた朝一(あさいち)。そんな朝一が
ボーカルを担当している弱小バンドにサポメンで入ってきたヨル。
ライブ後のちょっとした「お遊び」の時に起こった一度のアヤマチ。
それをきっかけに、ヨルは朝一への想いを明らかにしていく。
「男同士なんて気持ちワリィ…」と嫌悪感しかなかったはずの朝一なのに、
衝撃的なヨルの歌声に思わず欲情し、場所を問わず乱暴にカラダを求める
日々へと変わる。朝一を一途に想い続けるヨルを軸に、めまぐるしく加速
する欲望、暴走する嫉妬、それぞれのキモチの行方は…?

 

スマートな見てくれだけど、

明らかに ”ヤ” の付く職業の人だよね?この人(^^;という男性が、

ライブハウスで熱唱するボーカルに目を奪われています。

ついでにチ〇コも勃てながら ”エロい…” とポツリ。

この方はヤクザのいおりさん。

妹のしおりさんがファンだというボーカル・ヨルのライブに、

付き添いでやってきました。

一目でヨルに魅せられたいおりさんは、

”マイクに向かって歌うみたいにフ〇ラしてほしい”

”ステージ映えする綺麗な体を押さえつけて挿入したい”

”あの少しかすれた控え目な声で喘いでほしい”

などのエロい妄想で脳内が埋まり、シコる日々を過ごしています。

 

てっきり、このいおりさんとヨルが主人公だと思ったら、

ヨルよりひとまわり小さくて、

別バンドでボーカルをしている朝一が登場しました。

「金髪猿(いおりさん命名)」の朝一とヨルの2人で、

よるとあさの物語が始まりました(^^)

 

感想は一言……スゴかったです。はらだ節炸裂でした。

こんなに痛いのにこんなにかわいいって、

はらだ先生でしか味わえない感覚です。

何度も引き合いに出しますが、

わたしのはらだ先生初読み作品が『ワンルームエンジェル』で、

号泣につぐ号泣を経た後、きれいに魂が浄化された1冊でした。

エロ無しBLの境地で、

魂で繋がる2人の美しさに感動すら覚えました。

しかし、

”せっせと刻んだその感動、すべて捨てておしまいなさい” 

そう言われたような気がした今作(^^;

痛いし汚れだしキツいしで、超~しんどかったです。

だけど、惹きつけられて読む手を止められませんでした。

 

男も女も引き寄せるカリスマボーカル・ヨルが大好きなのは、

朝一です。ヨルの目には朝一しか映っていません。

ヨルのバンドが解散し、

ちょうどベースが抜けて困っていた朝一のバンドにヨルが加入。

晴れて四六時中、朝一を愛でることができるようになったヨル。

しかしそれに困ったのは朝一です。

なんで俺なんだ!?と。

俺は女の子が大好きで、女の子とヤるのが大好きで、

お前なんかキモイわっ!と思っているのに、

あの艶のある色っぽい目でいつもヨルが見つめてくるもんだから、

胸がザワザワしてドキドキしてゾクゾクして、

イライラして腹立って調子狂って、思わず言ってしまった。

”そんなに好きならフ〇ラしろよ!”って。

 

顔を赤らめながら躊躇なく朝一のチ〇コにキスするヨル。

”朝一のことずっと好きだったから” と、

愛おしそうに朝一のチ〇コを口に含むヨルなのです。

”バカかっ!” とキレながらも、

ヨルの口でイってしまった朝一はおもしろくない。

ますますヨルの視線にそそられ煽られ、

落ちていく自分を止められず、ついにヨルを抱いてしまった。

しかも勢い余って、

ヨルにキスしそうになった自分にハッ!とするんです。

 

どうにも止まらないイラつきが頂点に達した朝一は、

しおりさんを呼び出します。

一発ヤってスッキリしようという目論見でしたが拒まれ、

いいじゃんヤらせろよ~とわちゃわちゃしてたら、

バシッ!と朝一の手がしおりさんに当たって頬から流血…。

ここからの後半がかなり痛いです(*_*;

 

大事な妹の顔を傷つけられて黙っちゃいないいおり兄さん出ます。

「慰謝料回収」ってことで、

ごっつい指輪をはめた拳で朝一の顔面ボコります。

その面構えの怖いこと怖いこと。タマヒュンです(^^;

後ろ手に縛られた朝一は慰謝料200万を請求されますが、

もちろん払う金などございません。

よって、身体で払えやコラってことで、

凶器のようなデカチンを持ついおりさんの部下に掘られる

動画を撮ることに。変態マニアの間では高値で売れっぞと。

腫れ上がった目と頬と、涙とヨダレと鼻水と鼻血で

ぐっちょぐちょになった顔を歪めながら泣きじゃくる朝一。

猿ぐつわ(ボールギャグというそうです)と目隠しをされ、

凶器チ〇コで掘られながら、

”お前も勃起しなきゃ画的につまんねーだろ!” と無理にシコられる。

さらに、砂利入りローションを朝一の尿道に注入しようとします。

たいていのヤツはこれで泣きながら昇天すると。

(ああやめて……もうやめて……心臓痛い…)

だけど、いおりさんやめません。

嫌がる朝一に ”俺のおしっこ飲むのとどっちがいい?” って…(>_<)

”のみます!おしっこのみます!” 

即答した朝一の顔面めがけて放尿……。(心、死にかけました)

 

そして、しおりさんから朝一が危ない!と聞いたヨルは

朝一の元に走りました。

真っ裸で泣きながら事後の片付けをする朝一に

そっと上着をかけ、ガタガタ震える体を抱き寄せます。

その目は怒りで煮えたぎっていました。

いおりさんを追いかけ、

”そんなに慰謝料がほしいなら俺が真面目に働いて払ってやる” と。

常識が通じない相手に対して、

真っ当な返済方法を真正面から男前に言い切るヨルに、

”お前、不思議ちゃんだからもういいわ、許す” と、

撮った動画も返してもらい、すべてご破算となりました。

 

それ以後、トラウマがデカすぎて、

ヨルに添い寝されないと安眠できなくなった朝一。

甲斐甲斐しくお世話をするヨルは、

超~密着型添い寝で寄り添い、

毎回勃起チ〇コをゴリゴリと朝一に擦りつけるのです(笑)

キモイキモイと言いながら、

この離れがたい気持ちは何だ!?と自問自答しながら数カ月。

朝一はヨルと共にステージに立っていました。

2人で作った曲「よるとあさの歌」を

ツインボーカルで熱唱しています。

共鳴する2人の声と心が響いてくるような

見開き一面の画にビリビリきて、ざわっと鳥肌が立ちました。

 

めでたく、お付き合いすることになった朝一とヨル。

2人肩を寄せ合って眠る姿でエンディングをむかえています。

書き下ろしで、

付き合うようになった2人のその後が描かれています。

とてもえっちくてかわいいだす♪

強烈な痛さの後に描かれるキスとかエロって、

すごく綺麗に見える。尊みが倍増しな感じで好きだな~。

 

そして、今作を読んで気づいたことが一つ。

「精液ごっくんシーン」 が苦手……(^^;

これまで読んだBLにもごっくんシーンは数多くありました。

別になんてことなく読めてたんですけど、

はらだ先生のごっくんシーンは、

その他滴る色んな汁気がオールインワンしてて、

わーそれ飲んじゃうのーー??って若干引いちゃうんですよね(^^;

それだけリアリティがあるってことなんですが、

自分は「ごっくん」よりも「んべっ」と出してほしい派だなと。

『オールドファッションカップケーキ』の野末さんは、

外川くんの躊躇なくぺっぺっと吐き出してたな~って

思い出したりしました(^^)

野末さんと朝一は付き合えないな~絶対って思ったりして(笑)

 

かなり好みが分かれる作品になっていますし、

読むのに気合が必要なはらだ先生作品ですので、

十分吟味されるのがよろしい1冊です。

お気に入りましたら、なんとアンコール続編もござる。

 

 

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