しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『この背中に爪を立てて』(作者:西本ろう)

   

「あの人が好きなのに他の男でも欲情するんだ あなたは」
大学生の歩(あゆむ)が働くバーに現れた既婚者の男・坂東(ばんどう)。
”この人は誰かのモノだ”とよぎりながらも、歩は魔性の身体に溺れていく。
口説けど躱され、焦れる歩。既婚者なのに自分を掻き乱し、その上、学生時代に
付き合っていた”男”への想いを断ち切れない坂東に歩は…!?

 

この扉絵が大好き!!

 

黒髪の歩の視線!

壁のタイルに沿う坂東さんの細い指!

そしてこのケツ!! エロすぎてもはや美しい!!

しなやかに流れる体躯と腰つき。

両手でガシッ!と鷲掴みしたくなるような尻の肉感。

そして、美味しそ…あっ、硬そうなチ〇コ。(変態出かかった…)

 

100%全力でかかってくる絵力に負けない力強いストーリーが、

相乗効果でこの作品を何十倍何百倍も良いものしていると思う。

さらにプラスで追いエロ効果!

 

いつものように感情昂る前置きです(^^;

西本ろう先生初読み作品だったのですが、

もう~衝撃を受けました。この画力に。

なんだ!?この強さ!強くて太い(チ〇コじゃないよ)描写は!と。

こんな力強い絵なのにストーリーがまた繊細なんだわ~。

胸アツで胸キュンで泣かせるんだ~。

 

あとがきで先生も書いておられましたが、

今作のテーマは「不倫」。

欲情に溺れて共倒れっていうのではなく、

相手を想う感情が最後の最後で踏ん張って、

溜まった欲やら嫉妬やら執着やらの泥水を流し去る。

だから最後、清々しさみたいなものを感じて読了できたので、

ゲス味はまったく感じませんでした。

 

最初はね、大学生・歩を面白半分に誘惑する坂東さんなんです。

ムンムンの色気をまき散らすもんだから、

若者は一発でノックアウトされました。

だがしかし、歩は ”本気” と書いて ”マジ” だったんですね。

真剣に坂東さんにホレてしまった。

坂東さんが過去の男のことを未だに引きずっていること。

そして奥さんがいること。

そのことに嫉妬してムカついて思い悩んで。

だけど自分は大学生でまだまだ中途半端な甘ちゃんで、

どうしたって解決策なんか見えなくて、

でも好きな気持ちは止められなくて。

”俺と結婚してください”

坂東さんがずっと付けている薬指の結婚指輪に、

そっとキスしてプロポーズした歩を前に、

もう自分の気持ちに嘘が付けなくなってしまった坂東さん。

 

そして、2人はめちゃくちゃに愛し合います。

好きすぎて一つに溶け合いたいと思うぐらいに、

めっちゃイイ感じのセッ〇スするんだけど…お別れなんだよね…(T^T)

普通だったらこのまま流されてダラダラになりそうなんだけど、

歩は言うんです。

”上っ面だけの幸せなんて続かない”

”ほんとうに幸せになりたいなら、

置き去りにしてる大事なものにちゃんとけじめをつけなきゃだめだ” って。

 

泣いた。歩がほんとにちゃんとしてて泣きました。

好きだけで突っ走ることはできない。

だってもう愛してしまってるから。

”必ず迎えに行くから待っててほしい” って。

(待ってる。もう~いつまででも待ってる!T^T)

 

本当に大満足な1冊でした。

どこから読んでもイイです。

どのページ開けても好きです♪

そして、どのエロもマジで極上のエロお届けされていますので、

機会があればぜひとものぞいていただきたい。

 

西本ろう先生。

現在、作家買いしていることは言うまでもなしです(^^)