西島圭(にしじまけい)がバイトするラーメン屋には、人が隠している
ことを何でも暴く客がいる。その男・十川(とがわ)の正体は、黒い翼を
持つ悪魔。圭自身も初対面でゲイであることをバラされたり、恋人に
四股かけられていることを知らされたりといろいろ被害を被った一人。
最初は人間の不幸を楽しんでいるのかと思った圭だったが、圭が困る
たび、なぜか助けに現われたり励ましてくれたりする十川にしだいに
惹かれて…。
今回の人外は悪魔。
それも天使からの悪魔堕ちという堕天使さんです。
天使と言いますと、
ついつい『残酷な天使のテーゼ』が脳内再生しますが、
今作の堕天使である十川さんもなかなか残酷な毒舌ぶりで、
周りの人を闇に堕としています(^^;
悪魔は人には見えないものが見えるし、聞こえない声も聞こえます。
よって、人が心に抱える闇の声を聞くことができます。
自分がゲイだと周囲にひた隠している圭も、
悪魔の十川さんによってめでたくゲイバレ。
”隠す必要はなかろう” とのことです(^^;
おまけに圭がお付き合いしている高橋さんが、
四股をかけていることまで暴露してくれちゃって、
幸か不幸かめでたく失恋。
”便利な性欲処理係だったんだよ” とのことです(^^;
当初はなんでも言い当てる十川さんを、
変な占い師さんか催眠術師さんかなんかでないの!?と
疑ってかかっていた圭ですが、
悪魔の証拠だと言って大きな黒い羽根を見せてくれた十川さん。
どうせ張りぼてでしょ♪と羽根に触れた圭はその手ざわりにびっくり!
張りぼてなんかじゃない本物の悪魔の羽根に感動を覚えるのでした(''ω'')
さて、そんな十川さんと圭の恋物語。
悪魔と人間の恋。まさにファンタジーですね~。
しかし、夢見る夢子さんみたいなふわふわとした物語ではなく、
意外と現実的なんです(^^;
圭が働くラーメン屋さんのチャーシュー麵が大好きな十川さん。
悪魔がラーメンって(笑)
そのラーメンが食べられなくなってしまうのは困るからってことで、
圭の命を助けます。
四股をかけていた高橋さんから、
バラしやがって!的な感じでボコボコに仕返しされた圭。
だんだんエスカレートして、
圭の首に手を懸けた高橋さんをすんでのところで止めに入った十川さん。
”今、圭を殺せば天使がこの子の魂を回収しに来る”
”元同僚と鉢合わせしたくないので、その手を離しなさい” と
高橋さんを諌めました。
天国にウェルカムだった圭と、
地獄にウェルカムだった高橋さんをボツにしちゃって、
人間に深く干渉した罰を受けた十川さんは、
悪魔界の上司(?)に反省文を書かされて、
しばらくの間、謹慎処分をうけたそうです(^^;
そして、ラーメン屋の常連だった十川さんが
まったく顔を見せないので心配する圭です。
悪魔なのに何かと世話を焼いて助けてくれる十川さんに
好意を寄せ始めている自分に気づきます。
悪魔に恋したってしょうがないのに…と思っていた時に、
ようやく姿を見せた十川さんは、
圭が抱く淡い恋心を十分にお見通しでした。
そして、”相手してあげてもいいよ” と。
”ただし、してあげるのはセッ〇スだけね”
”恋愛は人間としなさい。その方が幸せになれるから” と。
持ち上げといて突き落とす十川さん(^^;
実は、十川さんが堕天使になった理由は、
”人間を好きになりすぎたから”
行き過ぎた恋をしてしまったんです。
つまり人間とセッ〇スをしてしまったんですね。
ご存知でしたか?天使には性器がないんですって。
(この作品の中だけの設定かもしれませんが…^^;)
神が天使におち〇ち〇を付けなかったのは、
性行為が必要ないと考えられたから。
天使の愛情表現とは、
抱擁や跪く行為で相手に祝福を与えること。
想い人とセッ〇スするために、
天使である自分の体を作り替えた=チ〇コ装着!してしまった
十川さんの行為は、その神の考えに背くことであり、
罰せられて当然のことだったんです。
よって、天国から堕天し、
地獄の悪魔へと転職を余儀なくされた十川さんなのでした。
しかし、それを知った圭の胸はチリチリと痛みました。
十川さんには、
天使をやめてもいいと思うぐらい好きな人がいたんだ…と思って。
十川さんにそれだけ想われてた人が羨ましいな…って。
ちょっとシュン⤵となって落ち込みそうになった圭ですが、
挫けないのが良いところ!(四股でも挫けなかったんだから^^;)
”十川さん、人間になって僕と一緒に生きようよ!”
”大好きだからずっと一緒にいよう!” 笑顔でそう告げる圭。
だけど、人間になった悪魔の恋人は早死にするらしく、
首を縦に振らない十川さん。
つまり、十川さんも圭のことが好きで、
圭を死なせたくないと思ってるってことで、ふふふ♪(^^)
圭に言わせると、
正直、悪魔でも何でも、
十川さんが幸せならなんだっていいんだと。
十川さんと付き合えるならなんだっていいんだ。
でもできるなら、パッと出てきてパッと消えるんじゃなくて、
セッ〇スのあと一緒にまったりとかしたいじゃない♪ってことで、
そんな圭の想いを汲んで、十川さん、人間になることにしました。
早死にしないようにがんばるから♪と圭(^^)
めでたしめでたしと思ったら、
天からクレームが出まして、
十川さんの人間化にストップがかかりました。
何か魂胆があるのでは?と(^^;
しかし頭ごなしに却下するのは天の博愛精神に反するので、
とりあえずは、
完璧な人間ではないけれど悪魔でもないという位置づけに。
「人間もどき」みたいな感じ。
でも、悪魔の力は完全に封印されたので、
人の心を読むこともできないし、記憶を操ることもできません。
”さぁ、人間の苦労を味わえ♪”
急に上から目線で先輩風を吹かす圭です(^^)
そして…、”十川さんっ、イ…っ…ク…!”
セックスできたー!感動だーヾ(≧▽≦)ノ
喜ぶ2人です。
浦島太郎のように人間界にきたらヨボヨボのおじいちゃんに
なってるんじゃないかとビビってた2人でしたが大丈夫でした(^^)
ちゃんとHできましたし、気持ち良くなりましたし、
終わった後も消えたりしませんし、寝てる間に逃げたりもしません。
ずーっと側にいるから、ゆっくりおやすみ♪
堕天使でしたが、ほぼ人でしたので、
あまり人外という感じはなかったです。
初読み作家さんでしたが、
なかなか雰囲気のある絵でイイ感じでしたし、
圭や十川さんや周りの人たちの会話のやり取りも、
すごいテンポがあってリズムがあって楽しかったです♪