しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『ばら色の研究と花喰らふきみ』(作者:ビリー・バリバリー)

   

《光る薔薇》を研究する葛ノ葉(くずのは)が出会ったのは、
《花を喰らふ》蜂須川(はちすがわ)という男だった。そして、
葛ノ葉は幼い頃の忘れられない初恋の相手が蜂須川だと知る。
光る薔薇を食べるのが夢だという彼のもとで研究する葛ノ葉
だったが、噎せ返るような薔薇の香りのキスをされ…。

 

早く言いたかった! ”ビリー・バリバリー” と。

「先生」という呼称略してすいませんなんですが、

”バリバリー” っていう「音」が好きでめっちゃ言いたくなる。

用もないのに何回も言っちゃう(笑)

 

本日はビリー・バリバリー先生です(^^)

絵がとても素敵です。

表紙の絵もそうですし、扉絵もとても綺麗♪

表題作が薔薇をモチーフにした物語なので、

余計にアンニュイな雰囲気が感じられます。

『ばら色の研究と花喰らふきみ』

『先天性WILD!』

『so happy?』

『朝とミーチャ』の4作品が収録された短編集。

 

「光る薔薇」作りの研究をしている葛ノ葉。

幼い頃、一度だけ成功した淡く光る薔薇を手に、

美しい少女が住む薔薇屋敷へと向かいました。

”君に見てほしくて…” とその薔薇を差し出すと、

”きらきらしていいにおい。とてもきれい” と優しく微笑んだ少女は、

次の瞬間 ”おいしそう” と言って、パクッと薔薇を食べてしまいました。

なぜ薔薇を食べたのかも、ほのかに抱いていた恋心も、

何も聞けず、何も打ち明けられず、月日が経つこと20年。

33歳になった葛ノ葉は、

光る薔薇の研究資金を援助してくれるという人物、

須川蜜朗に会いに行きます。

着いた屋敷は幼い頃に訪れたあの薔薇屋敷。

そこに佇む美しい青年は、

”君の研究する「光る薔薇」を食べるのが私の夢なんだ” といって、

庭に咲く一輪の薔薇をパクり。

葛ノ葉は知りました。あの可憐な少女は「彼」だったと。

 

須川は「花を喰らふ者」で、花しか食べない人間。

普通の人が魚やお肉やお米をいただいて生かされているように、

須川も花によって生かされている人間でした。

”君が「光る薔薇」というロマン研究を追い、

私はそのロマンを食べる日を待つ。

私たちはウロボロス。君の尾を食べるのは私だ”

 

ウロボロスというのは、

「自分の尾っぽを飲み込んだ蛇が丸い輪になっている様」を

表したもので、始まりも終わりもないということから、

転じて「永遠」の象徴とみなされているそうです。

なんだかダークファンタジーの世界かと思いましたが、

ホラー要素はまったくなくて、むしろ甘くて可愛いくて、

そして少し物悲しい恋物語です。

”花は美しくて美味しいけれど、私の孤独を癒してはくれない…”

ずっとひとりぼっちで過ごす蜂須川に、

”暗い夜でも君を照らす瞬く薔薇をあげたい” という葛ノ葉。

なんてロマンティックなの♪

研究しつつイチャイチャしつつ、2人のロマンスは続きます(^^)

 

表題作の次に良いなと思ったのは『先天性WILD!』。

デカくて小生意気なバスケ部後輩と、

小さくて少々ウザイが良いケツを持つワンコ系先輩カプ。

先輩って童貞ですよね?とからかう後輩に、

そんなわけあるか!と顔真っ赤にしてバレバレのウソをつく先輩。

その反応が面白くて、大胆に迫りまくってたら、

いつの間にか本気で好きになってたというやつです。

ワンコ先輩が可愛いんだ、これが♪(^^)

 

『朝とミーチャ』はここでは短い短編で終わっていますが、

1冊ものの単行本でも出ています。

そちらを読むともっと2人の関係性を深く知ることができそうですが、

「危うい共依存愛」と表記されていたので、

なんとなく痛い内容なのかな~と思って買っておりません(^^;

もう少し、

他のビリー・バリバリー作品を楽しんでからにしようかな♪

 

 

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