長屋のお隣同士で暮らす幼なじみの尚之(なおゆき)に、ずっと片想いを
している洋(よう)。けれど、情が深くて世話焼きな尚之が惚れるのは、
しっかり者の洋とは真逆のダメ男ばかり!! 俺ならなおちゃんを幸せに
するのに…。隣で歯がゆく見守ることしかできなくて!?
ありふれたお話でも木下けい子先生の手にかかると、
とても秀逸な物語になる(^^)
ユーモアがあってクスっと笑えてホロリと涙がこぼれる。
最後は、ああ~良かった良かった♪で読み終わる。
木下けい子ワールドが今作も満開でございました。
クセ強なのにどこか抜けてるかわいい男がここにいます♪
その名は「なおちゃん」。
情が深くてホレっぽくて、すぐにフラれていつも泣いてる。
”俺はもう…恋…なんてしない(T^T)”
”マッキーか?”
つっこみを入れるのは、
なおちゃんの2つ年下の幼なじみ「洋ちゃん」。
いつもフラれて泣いているなおちゃんを慰めてくれる。
”違う!”
”もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対、じゃないやつだよ!”
こんな2人の掛け合い漫才のような会話。
ポンポンと打てば響くテンポ良い会話のリズムが
とっても心地良くておもしろくて、フフフ♪と笑っちゃいます。
洋ちゃんはなおちゃんのことがずーーーっと好きなんです。
だけど、なおちゃんが好きになる男は、
洋ちゃんとは似ても似つかないタイプの男ばかり。
緊縛プレイが好きな変態男だったり、
売れない俳優のヒモ男だったり、
夜のお店を経営するヤクザ男だったり。
そろいもそろってダメ男。
”目の前にこんなにイイ男がいるのに!”
”なおちゃんのバカ!大馬鹿!!”
心の中で日々毒づく洋ちゃんなのです。
しかし、そんなダメンズウォーカーであるなおちゃんの元に、
ついにホントのイイ男がやってきちゃいました!
縛らないし、定職にも付いてるし、昼に働く健全な男。
いつか、なおちゃんが本当にふさわしい相手を見つけたら、
洋ちゃんはこの想いを捨てて、
なおちゃんから離れようと思っていました。
そしてその「いつか」が、ついに来てしまったんです…。
なおちゃんが大家さんをしている、
昭和レトロな長屋の一室を借りて同居していた洋ちゃんでしたが、
”俺、引っ越すから” と宣言しました。
なおちゃんを幸せにしてくれる人ができた今、
もうお世話係の自分は必要ないから。
それに戸惑ったのはなおちゃんでした。
何かにつけ慰めてくれたり、怒ってくれたり、
涙拭いてくれたり、心に沁みるご飯作ってくれたり、
やいのやいの言いながら、
いつも側にいてくれた洋ちゃんが……いない。
そんなの無理!耐えられない!
洋ちゃんに会いたい!
抑えられない気持ちを抱えていたなおちゃんの元に、
「洋ちゃん緊急手術!!」の報せが!
幸い大事に至らず、ベッドで横になる洋ちゃんに、
”なんでもわがまま言いな。俺なんでもしてあげるから” と、
声をかけるなおちゃんに、
なんと洋ちゃん ”キスして欲しい” と告げます。
”むしろもっとなおちゃんとHなことしたい” と。(きゃっ♪^^)
”死にかけて本当に人生後悔した”
”なおちゃんのことずっと好きなのに、
めちゃめちゃ好きなのに、
なんで言っとかなかったのかなってものすごい後悔した”
この洋ちゃんの言葉、重いけどほんとにそうだよねと思いました。
「後悔先に立たず」
思ってることはちゃんと口にしないと伝わらないから。
色々回り道して拗れましたが、
なおちゃん、洋ちゃん、ようやく両想い(^ω^)
さぁさぁHしましょうよ!と迫りまくるなおちゃんですが、
絶対嫌っ!と言う洋ちゃんなんです。
なんでよ~となおちゃんと同じくわたしも思っていたら、
手術で下の毛を剃って、
まだ生えそろってなくて恥ずかしいから嫌だと。
”んな、処女みたいなこと言って~” というなおちゃんでしたが、
なんと洋ちゃん、処女いやいや童貞でした(^^)
ずーっとなおちゃん一筋だったから、まだシたことなかった。
うんもうぉ~かわいいぃ~♪
なおちゃんに先駆けて、
気持ち悪い声を出したわたくしでございました(笑)
番外編含め、最初から最後まで大満足の1冊でした!
木下けい子先生のほんわりした絵にいつも癒され、
ユーモアの効いた会話に心くすぐられ、
ほんのり涙しながらも胸躍るストーリーにワクワクする。
やっぱりおもしろいです、木下けい子作品♪
また他のも読みたいな~(^^)