しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『桃尻ヤンキーに優しいお仕置き』(作者:赤根晴)

   

ケンカ三昧の狂犬ヤンキー土佐(とさ)は、とうとう鑑別所へ送られて
保護司がつくことになってしまった!全く反省する気のない土佐は、
保護司がいると聞いた工場で柄の悪い従業員と衝突。するとそこへ
あらわれた熱血保護司・蓮木(はすき)から与えられた罰は、皆の前で
お尻ペンペン!? 屈辱的な姿にひとり残らずブチのめす…と思うのに、
なぜか土佐のアソコは膨らんできてしまい…。

 

「桃尻」とタイトルにある割に、

綺麗な尻のことには全然触れてなかったです(^^;

触るものみな傷つける狂犬ヤンキーがプリケツ持ちだなんて、

最高な設定じゃないですか。

もっとフォーカスして弄ったら、

もっともっと良いエロが引き出せたんじゃないかと

生意気にも思ってしまいました(^^;

 

しょっちゅう暴れん坊将軍になってしまうヤンキーの土佐くん。

ある日の暴力沙汰でとうとう警察に補導されてしまい、

少年院送致は免れましたが、保護観察処分となりました。

鉄工所で働く熱血保護司・蓮木さんの元で更生することに。

蓮木さんが掲げる鉄の掟「ケンカはしない」。

これを破るとお仕置きするからね、と言われた土佐くん。

くだらねぇ…と思っていましたが、

さっそく掟を破って殴り合いのケンカをした土佐くんを

待ち受けていた蓮木さんが取り出したるものは ”ロープとローション”。

きょとん??とする土佐くんの手首を縛り、

たっぷりのローションで乳首をイジりイジり。

さらには桃尻をイジりイジり。

ついには蓮木チ〇コ挿入!

ガンガンに突かれるというお仕置きを受けた土佐くんでした。

 

待て待て。こんなお仕置きダメ絶対!(笑)

保護司がヤっちゃダメ絶対!ですよ。

思わずあかんやろ~って笑ってしまいました。

そしてフィクションでありますゆえ、

そのお仕置きで土佐くんはちゃんと更生するのです。

蓮木さん、好きだ!って(^^)

で、土佐くんの高校卒業を待って2人は恋人同士に♪

同じ鉄工所で働くことになった土佐くんと蓮木さん。

晴れてラブラブ同棲が開始されたっぽい感じでENDでした。

 

正直申しますと、

あまり好きなヤンキー系ではなかったです(^^;

ヤンキーあるあるな可愛さがイマイチ感じられなかったのと、

終盤思いもしなかった、

モブによる土佐くんレ〇プシーンがあったから…(>_<)

絶対ヤられる前に蓮木さんが助けに来てくれると、

ギリギリのところで救い出してくれると願っていたんですけど、

願いかなわず…。

さらにはそいつら、ボロボロになった土佐くんの手足を縛って、

海に沈めようとするんです!(いや、ちょ待てよ!!です)

最終的にはちゃんと蓮木さんが助けに来て、

クソチンカス野郎共をボッコボコにしてくれましたけどね。

いやまさか!?の展開にびっくりした終盤の出来事でした。

 

最後ラブラブ同棲ENDの頃には、

そんな出来事あったかしら的な感じになってるんで、

それを乗り越えて2人の絆がさらに深まったんだ、

という解釈で落ち着くことにいたしました(^^)

読み終わった後にもう一回タイトル見て、

やっぱ桃尻関係なくない?と再び思いました(^^;


『Two sides of the same coin 上・下』(作者:西本ろう)

  

ドM父の不倫現場を目撃してしまった大学生の悠二(ゆうじ)。
見て見ぬ振りでその場を去ろうとするが、美しき銀髪のボクサー・コウに
ぶつかってしまう。そのお詫びとして、コウに唇を奪われる悠二。
もう二度と会うこともないと思っていたが…。
コウとホテルに二人きり、「俺、いてぇーと勃っちまうんだ」と言われ…。
強さと弱さを抱えるコウにどうしようもなく惹かれていく悠二。
彼は父の〇〇なのに…。

 

西本ろう先生の圧倒的画力にノックアウト!

先生の描く人物の質感・肉感のエロさよ。

生々しさすら漂う肉体の弾力性や滑らかさ、柔らかさ、温かさ。

さらには血、汗、涙、ヨダレに鼻水にチ〇コ液。

これら液体類のリアルな汚らしさと清らかさが同居する様。

まさに、造りものじゃない生身の人間がそこにいる感じ。

気圧されるぐらいの迫力で迫りくる力強い絵に身も心もやられました。

そして、ずっしりと重厚なストーリー展開。

軽々しく ”片手間に読む” なんてことができないあたりが、

さすが西本ろう作品!と言わざるを得ません。

しかも今作は上・下本と、かなりの読み応え。

ますます読むのに気合要りましたし、

内容的にも下巻はまた後日…なんてできないヤツで、

上下一気読み強く推奨!な作品でした。

 

タイトルの『Two sides of the same coin』は、

訳すと「表裏一体」という諺になります。

”表と裏の関係のように、密接につながり切り離せないこと”

という意味で、

まさに、主人公・悠二とコウのニコイチの関係を表わしています。

さっそく激しくネタバレです↓↓↓

 

実は2人は腹違いの兄弟。

警視庁の超エリート父さんがよそで浮気してました。

仕事仕事で家を空け、

その癖自分の息子のデキが悪いと母さんを責める父。

これ以上母さんがなじられないように、そして、

そんな父さんに少しでも認めてもらえるよう懸命に頑張る悠二ですが、

ある日の帰り、父さんが車の中で男とキスをしている姿を目撃します。

”何してんだ、このクソ親父” と。

こんなヤツのために頑張っている自分に大きな虚しさを覚えた悠二です。

 

そしてなんと、父さんとキスをしていたこの男。

彼こそ腹違いの兄である航介(コウ)でした。

コウは最初から計画をしていたんです。

母さんと不倫をした上、

自分が生まれても認知することもなく、さらには母さんを痛めつけ、

玩具のようにぞんざいに扱ったこのクソ親父と、

そんなヤツの庇護の元でぬくぬくと幸せに育つ悠二に復讐をしてやると。

 

偶然を装い出会ったコウと悠二。

身体を重ねるも、悠二はクソ親父と似て非なるもので、

たくさんの優しさとバカが付くほどの気遣いに満ち溢れる人間でした。

あいつみたくクソだったらよかったのに…。

会えば会うほど、身体を重ねれば重ねるほど ”好き” が積み重なるコウ。

やがて悠二にその計画が知られることになり、

コウは涙ながらに悠二に背を向け走り去ります。

 

悠二はコウの生い立ちを知ることになります。

父さんが浮気相手であるコウの母親を痛めつけ、

それによって心を病んだ彼女が記憶障害を起こして

コウのことをまったく覚えていない現状であること。

そんな母親の入院費用を得るために、コウが父さんに抱かれていたこと。

その息子である悠二を傷つけてやりたい!と思い、

コウが自分に近づいたこと。でも、好きになってしまったこと。

そんなことまったく知らずに、

出会った時から悠二はコウに特別な感情を抱いていました。

兄弟だとわかった今、その気持ちはさらに強くなり、

走り去ったコウを懸命に探し求めます。

そして、小さく縮こまり膝を抱えて震えるコウを見つけた時、

”もう絶対にひとりにはしないから” と告げました。

 

そのすぐ後で、さっそく2人は公衆便所でHをします。

汁気たっぷりのネトネトなH。

で、Hしながらワザとコウを ”兄さん兄さん” 連呼する悠二が、

可愛さ余ってエロさ100倍でした。

まさにこれ見よがしなエロでスゲかったです(^^)

 

近親相姦モノは地雷なんですが、これは全然イケました。

腹違いだからかな?全然兄弟っぽくない2人で、

おまけに兄弟ってわかった後の方が俄然可愛くて良い感じでした。

クソ親父の元を離れて、

2人で生活している様子を先生があとがきで付け足して下さってて、

ああ~ちゃんと暮らしてるんだな~ってわかって微笑ましくなりました(^^)

 

かなり重い空気感が漂うストーリーでしたが、

先生のあとがきで、

全部がプラスに変わるという稀有な作品でございました。

芸術の域に達するような画力に魅せられ、

いつの間にか物語にも魅せられてしまっているという。

この先生ならば、

地雷でも読みたいと思えるほどとてもおもしろい作品でした。


部長のひとり言『あわてんぼうのサンタクロース』

クリスマスソングといったら、

山下達郎の『クリスマス・イブ』か、

マライア・キャリーの『All I want for Christmas is you』が

だいたい毎年流れているな~という感じなんですが、

昨日、子どもの頃以来でしょうか?

あわてんぼうのサンタクロース』を歌ったんです。

歌詞を見ながらひっさしぶりに歌いまして、

なんとも心がほっこりと温かくなりました(^^)

 

ドジっ子サンタのおじさんが、

クリスマス前にやってきちゃったんですね。

鈴をリンリン鳴らしながら(笑)

慌ててえんとつをのぞくもんだから ”あれー!” と落っこっちゃう。

ドンッと体打ちつけちゃって痛いんだけど、

もう部屋ん中入っちゃったから踊ってごまかすんです、チャチャ♪と(笑)

そしてたぶん指摘されたんでしょうね、家の人から。

”今日はクリスマスではありませんよ” と。

で、サンタのおじさんが、

”すいません、出直しま~す” ってシャラランと帰る(笑)

 

と、まぁ~こういう歌なんですが、

毎年 ”シャンシャンシャン” というクリスマスの音色を聞くと、

なんとなく「急かされているような感覚」になるんですよね。

急げ!急げ!と早足になっちゃう感じ?(^^;

この『あわてんぼうのサンタクロース』にはそんな感じが一切なくて、

ただただ楽しくて、ほんとに心ほっこりしました♪

 

しかも最後の一小節は、

「のどトレ」と「老化予防」に効果的です!

サンタのおじさんが自らの体で奏でた擬音語総出演のラストです。

♪シャラランリンチャチャチャ ドンシャララン♪

これをね、大きく口を開けて大きな声で歌うんです。

自然と笑ってますから(^^)

 

今年は良いクリスマスになりそうだ~Happy Christmas☆

部長のひとり言『サッカーW杯』

悲願のアルゼンチン優勝で幕を閉じたサッカーワールドカップ

日本代表の活躍を心躍る気持ちで観ておりました。

そして不謹慎ながらも、

別の意味で心躍ったシーンにわたしは釘付けとなりました。

おそらく、

腐女子界隈では大きく取り上げられていたのではないでしょうか?

いや、腐女子じゃなくても、

胸を熱くした女子がたくさんいたのではないでしょうか?

それは…、

三苫薫と田中碧「鷺沼兄弟」の熱い抱擁。

 

リアルかい?これリアルで起きてんのかい?

ピッチの緑の芝の上を、

抱き合いながらゴールした喜びで転げまわる2人。

地上波でこれを目の当たりにした時のこの胸の高鳴りよ!

おお神よ。わたしが目にしているのは現実ですか?

 

初めて生で、本物の「尊い」と「萌え」を体感した瞬間でした。

(あっ、本物じゃないか^^;)

設定もかなりBLあるあるじゃないですか?

幼馴染で日本代表で、そんでアシストしてゴールしてって。

こりゃもう、胸熱くならずしてどうするかってもんです(^^)

しかもまた2人が可愛い♪(≧▽≦)

子どもみたいに無邪気に喜んで。

 

このシーン見たら、

”ああ~BL読みてぇ~” って思っちゃう、ここ最近です。

『ひだまりが聴こえる』(作者:文乃ゆき)

 

あいつ、耳聴こえねーの?難聴のせいで何かと誤解を受け周囲とうまく
馴染めない大学生の航平(こうへい)は、いつしか人と距離を置くように
なっていた。そんな時に出会った同級生の太一(たいち)。バカみたいに
明るい性格で思ったことを何でも口にする彼から「聴こえないのはお前の
せいじゃないだろ!」と言われ、航平はその言葉に心底救われて…。

 

何年かごとのサイクルでドラマや映画になったりする、

”耳が聞こえない人” を題材にした物語。

ひと昔前には、常盤貴子さんと豊川悦司さん主演のドラマ

愛していると言ってくれ』というのがありました。

ドリカムが歌ってた主題歌がめちゃくちゃヒットしたりね。

トヨエツ旋風が起きたりね。

手話教室が定員オーバーになるくらい受講生がいっぱい来たりね。

諸々ヒットしたドラマでした。(毎週欠かさず観てたな~^^)

現在は『silent』でしょうか。

確か目黒連さんが耳が聞こえない人の役どころでしたかな?

どちらも、

耳が聞こえないというハンデを背負った人と健常者の歩み寄りの難しさや、

逆に寄り添う優しさなんかに感動を覚えるドラマです。

 

そしてなんとBL界にも、

”耳が聞こえない人” を題材にした名作が生まれていました。

「BL初心者ならまずこれを読め!」リストに、

必ずランクインしている今作『ひだまりが聴こえる』。

難聴の大学生・航平と万年金欠の貧乏学生・太一。

今のところ友達以上恋人未満の2人が、

少しずつ少しずつ距離を縮めていく。

耳が聞こえないことで人を避けるようになった航平に、

お金は無いが元気は有り余ってる太一が、

グングン航平の心の中に侵入していく。おそらくノックもせずに(^^;

しかし、なぜかそれを心地良いと感じる航平。

 

良い意味でですが、太一は ”耳が聞こえない” ってことを

別に大した事じゃないと思ってるように感じました。

特別な事じゃないってふうに。

聞こえないのは仕方のない事なんだから、

それならそれで声を大にして助けを求めれば良い!と。

隠す必要もないし、

そのことで誰かが何か言うならば言い返してやる!的な(^^;

聞こえない航平にしてみれば ”何を言うか!?” という感じでしょうが、

裏も表もなく嘘のない太一のその言葉に、

何か言いようのない安心感=コイツの前では素の自分で居られるっていうような、

そんな心地良さを感じたんじゃないかなと思いました。

自分を作ったり飾ったりしないで良い人と一緒にいるのほど、

楽なことはないですからね(^^)

まさに「Just The Way You Are」です♪ (by ビリー・ジョエル)

 

その心地良いという思いは、いつしか航平の中で、

太一を特別に想う気持ちに変わっていきます。

一人で居るのが一番良いと思っていた航平が、

太一との出会いによって変わり始めた。

どこか吹っ切れたように、ちょっとずつ強くなってる感じ。

それとともにだんだん笑顔も増えて、

太一の前でよく笑うようになりました。

そんな航平の笑顔に太一の胸が ”ドキン” と跳ねた…。

この気持ちは一体なんぞや?!の太一(^^)

 

まだまだ、

”いつも一緒にいる仲の良い友達止まり” の2人で終了した今作ですが、

まだまだ続々と続編があるんですね~。けっこうあるんですね~。

『ひだまりが聴こえるー幸福論ー』からの、

『ひだまりが聴こえるーリミット1』

『ひだまりが聴こえるーリミット2』

『ひだまりが聴こえるーリミット3』からの、

『ひだまりが聴こえるー春夏秋冬ー』。

こりゃ長丁場です(^^;

まだ読むの追いついておりませんが、

2人の進展具合が気になるところです。