しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『東京ミドル俱楽部』(作者:嶋二)

    

「ミドル俱楽部」とは、ウリ専のお店。その名の通りミドルエイジを揃え、
最上級の癒やしをお客様に与えるデリヘルである。
憶病なリーマンに縦横無尽な対応をするバリタチおじ嬢・大塚(おおつか)、
年若いイケメンとの同棲プレイにハマるゆるふわおじ嬢・榎本(えのもと)、
気の合わない同期に指名されてしまったリーマンおじ嬢・文野(ふみの)。
はじめはビジネスライク、だけどそれから…?
オトナかわいい3カップルの恋とセッ〇スの深い事情。
売る男も買う男も、みんなみんな生きている!

 

来ましたー!嶋二先生『東京ミドル俱楽部』。

しかもR18です!

やっぱね、これでなきゃ。エロはエロでいかなきゃですよ(^^)

 

すごくおもしろい設定です。

ウリ専のお店「ミドル俱楽部」で働くおじ嬢のお話で、

大塚・榎本・文野というウリ専おじ嬢の三者三様の恋物語

時にじんわり切なく、

時にクスッと笑ったりしつつ展開されていきます。

「ミドル俱楽部」という名の通り、

働くおじ嬢は30代後半~50代のおじさんです。

ですので、いわゆる ”おじBL” ですね(^^)

うん、嫌いじゃないです♪

 

1つ目は、源氏名「大塚」のおじ嬢です。

最年長50歳の大塚さんを指名したのは、

若い青年リーマンの宇野くん。

会社の上司を好きになってしまった宇野くんは、

その人を忘れるために大塚さんにある注文をします。

少々口が悪く態度も荒っぽいその上司のように、

どうか乱暴に僕を抱いて欲しいと。

叶わぬ恋の穴を埋めるように大塚さんに抱かれる宇野くんですが、

忘れるどころか想いは増すばかり…。

そんなジレジレな宇野くんに対して、

嫉妬に似た感情を抱くようになった大塚さん。

さて、2人の恋模様はいかに。

 

2つ目は、源氏名「榎本」のおじ嬢です。

これはちょっと切な系で心がジンとしました。

昔好きだった同級生・春一の息子から指名を受けた榎本さん。

顔を見てすぐにわかりました。春一にとても良く似ていたから。

春一は随分前に亡くなっていますが、

榎本さんの心の中にはずっと彼が生き続けていました。

そして巡り合ってしまった彼の息子である流一くん。

流一くんに抱かれる度にその背中越しに感じる春一の存在。

苦悩する榎本さんにお構いなしに、

好きだという気持ちをぶつけてくる流一くんに戸惑う榎本さんですが、

徐々に春一とは違う ”流一くん自身” に惹かれ始めていることに気づきます。

さて、2人の恋模様はいかに。

 

3つ目は、源氏名「文野」のおじ嬢です。

これが一番嶋二先生らしい作品で、一番好きなお話(^^)

”どうも~ミドル俱楽部から来ました文野です~♪”

挨拶して顔を上げたら、そこにいたのは会社の同期・磯貝くんでした。

間違えました~って帰ろうとしたら、

”間違ってないぞ、久川” って、こいつ本名で呼びやがった!

確信犯じゃねぇか!と思った久川さんですが、

会社にバラすつもりはまったくないという磯貝くん。

普段からも付き合いはないし、

むしろ折り合いは悪い方なのに、なぜ俺を指名した?

そしたら、

”久川が好きだから” と、ド正面から告白してきた磯貝くん。

なぬ?なんで?どして?と思う久川さん。

しかも、ネコかと思っていた磯貝くんが、

超巨根の極太チ〇コを所持するタチで、なんと自分がネコに…。

しかし意外にも、

磯貝くんの告白にときめきを覚えてしまった久川さんは、

磯貝くんの極太ち〇ち〇もお気に入ってしまって、

なんだかんだ恋の始まりってこんなもんかも?と思うのでした(^^)

 

1作品が前後編になっているので、

3つの短編といえども中身はしっかり描かれていて、

かなりボリューミーです。

しかも、最後に3作品のちょっとした描き下ろしも付いていて、

恋のその後も描かれており、なかなかに至れり尽くせりです。

そしてR18ですから、さすがジュネット・ピアスシリーズです。

 

おじBL良いですね♪

「酸いも甘いも噛み分けた感」が、いい大人の哀愁を醸し出しています。