しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『獣王陛下と砂かぶりの花嫁』(作者:小石川あお)

獣王陛下と砂かぶりの花嫁  獣王陛下と砂かぶりの花嫁  獣王陛下と砂かぶりの花嫁

奴隷商人に殺されそうになったところを、雪豹の獣王陛下に助けられた
”砂かぶり”。一族の皆とは毛色が違うため居場所がなかった砂かぶりを、
王様は「運命の番」だと言い、きれいな服を贈り、ふかふかのベッドで
寝かせ、食べ残しではない美味しいご飯を食べさせてくれる。さらに、
王様は砂かぶりに「紅藍(こうらん)」という素敵な名前まで付けてくれ
た。嬉しくて王様の役に立ちたいと思う紅藍。でも紅藍は「番」がどん
なものかよくわからなくて……。

 

【金と絹の行き交う長い交易路の西の外れにあるという

 色とりどりの花咲く国の物語】

 

雪豹の王様が治めるその国は、

豊かな金鉱脈から採れる金と、

この土地にしかない特別な赤色色素を持った紅花が特産で、

特にこの紅花で染めた羊毛や綿織物は、

金や絹より高値で取引されるほど貴重なものとなっています。

 

その雪豹の王様、神獣陛下に助けられた「砂かぶり」は、

ふかふかのベッドで目覚め、美味しいご飯をいただき、

紅花で染めた綺麗な赤色の洋服を身にまとい、

まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのような心持ちでした。

 

一面に広がる紅花畑にたたずむ「砂かぶり」に王様は言いました。

”赤く色づく前の暖かなオレンジ色の紅花は、

お前の毛色と同じでとてもきれいだ”

”お前の名は「紅藍」。わたしの運命の番だ”

 

この昔語りのようなオープニングに心持ってかれました。

なんて素敵なの!と(*´ω`*)

 

紅藍は ”きつね” なんです。

そのオレンジ色の毛色が平原では目立ちすぎて、

一緒にいるとこちらまで危ない目にあうと、

仲間から邪険に扱われていました。

なので、いつも砂をかぶってその毛色を隠していたから、

紅藍は「砂かぶり」と呼ばれていたんです。

紅藍は自分の毛色をずっと ”みっともない” と思っていたのに、

王様は ”とてもきれいだ” と言ってくれた。

その上 ”番になってくれ” とまで!

どこぞのおとぎ話ですか!?と思う紅藍ですが、

そのお話は続くのですよ、紅藍(^^)

 

表紙や扉絵だけでなくカラーの挿し絵とかあったら、

雪豹である王様の白い体や黒の斑点や藍色の目、

紅藍のオレンジ色や衣装の赤色やほどこされた刺繍など、

その色のコントラストや綺麗さが楽しめたであろうなと思ったりしました。

こんなに色を見たい!と思ったBLは初めてでした(^^)

 

ストーリーは、

ちょっと言葉足らずで自分の気持ちを素直に伝えられない王様と、

自分なんか…とすぐに自己卑下しちゃう紅藍が番になるまでのお話。

横やりが入ったりすれ違いがあったり誤解が生じたりして、

なかなか一直線には進まない王道の展開なんだけど、

出て来る人たちが誰も悪者にならないというとても優しい物語なので、

安心して読むことができました。

シンデレラとか親指姫みたいな、

良いおとぎ話を読んだな~という感覚の読後感でした(^ω^)

 

なんといっても、絵がとびきりカワイイ♪

まんまるお目目の紅藍が文句なくかわいいですし、

きつねのもふもふしっぽも愛おしい。

そんな紅藍が愛しくてたまらない王様は、

紅藍を自分の懐に入れて、

これまたモフモフの雪豹の毛皮で優しくくるんで、

ペロペロと顔を舐めながら存分に甘やかすんです。

目の中に入れても痛くないって、

こういうことを言うんだなと思いました(^^)

 

そして、この王様は人の姿にもなれるんです。

天の国から落ちてきた雪豹の神獣は、

手厚く介護してくれた人間の娘と恋仲になり結ばれのち、

自分たちの村を築き、繁栄させました。

その神獣の末裔である王様は、

獣の特性を強く受け継いでいると同時に、

もう一人の祖先である人間の血も受け継いでいるため、

耳も尾もない人の姿に変身することができるんです。

でも人の姿になるのは紅藍の前でだけ♪

それはもちろん ”うふふ” なことをするためさ♪ (←昭和か…笑)

 

雪豹から人の姿に変わるその変身の過程が、

ほんのちょこっとですが、怖っ…と(^^;

あと、王様の手の甲の毛?

手の甲毛にちょっと、ざわっ…と(^^;

この2か所にほんの少~し、ほんのちょびっと、

ぞわわっとしたかなという感じです(^^)

 

先日の『ご主人さまとけだま』で、

小石川あお先生が非常に気になりまして、

ぽぽぽんと作品をポチりました。

あともう1作、

小石川あお先生の獣人モノいってみたいと思います!(^^)/

 

 

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