しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『キミに言えないことがある』(作者:もふもふ枝子)

 キミに言えないことがある  キミに言えないことがある

「   」そのたった3文字が言えなくて…。
しっかり者の恭介(きょうすけ)×おっとりした佳純(かすみ)。
二人は表向きは幼馴染み。だけど、決して口にしてはいけない
胸に秘めた想いがあって…。

 

後半、怒涛に泣きました。

幼い頃にインプットされた固定観念にとらわれすぎて、

本当に自分が欲しいもの、必要とするもの(=佳純)を

否定せざるを得なくなっていた恭介が一番苦しかったかもしれない。

最後、佳純の前で裸の心をさらけ出して涙した恭介に、

一緒にもらい泣き、というか号泣しました(T^T)

 

佳純に対して、小さい頃から抱いてきた「(好きだ)」の3文字。

この言葉をいったい何度飲み込んできたんだろう。

「正しい」か「間違い」か、

そのどちらかでしか物事を判断しない

父親の影響を受けて育った恭介は、

自分が抱く佳純への想いを「正しくない」ものとして、

決して表に出すべからずとしてきました。

男が男を好きになるのは、

父が言うところの「間違い」であって、

自分のこの気持ちは佳純を不幸にすること。

男は女の人と結婚して幸せになることが「正しい」のだから。

 

そう思っていたから、あの日、

佳純から ”恭介のことずっと好きだった…” と告げられた時も、

嬉さではなく、その気持ちは正しくないものだと、

”それは佳純の勘違いだ…” と言って突き放した。

 

佳純の決死の告白を酷い言葉で拒絶しておきながら、

佳純が側にいないことに、

心の奥で佳純を求めて叫んでいる自分に苦しむ恭介。

佳純の幸せを願っているのに、

(俺以外の誰かと幸せになるなんて)嫌だっ!” と、

相反する想いを抱えます。

 

そんな不安定な恭介を心配した会社の先輩が声をかけてくれました。

”正解とか不正解とか頭で考えすぎないで、

もっと心に素直に生きればいいんだよ” と。

 

正しいか間違いかを一番最初に考えるんじゃなくて、

”佳純が好きだ” という自分の心に素直になる。

気づけばこんなにシンプルなことだった。 

佳純の想いを自分勝手に否定して、

幸か不幸かなんて勝手に判断して。

ただ単に自分に自信が無かっただけだった。

弱くて憶病で、

佳純の真っ直ぐな想いから逃げ出したバカな男だった。

 

自分の心に正直に向き合った恭介に、もう迷いはありませんでした。

この選択をしても幸せにはなれないかもしれないけれど、

でも、佳純と二人でいれるなら、

もしこれが間違いでも、もう俺は後悔しない!

 

”好きだ!佳純のそばで生きたい”

 

大粒の涙を流しながら、

自分の想いを佳純に告げる恭介のこのシーンに、

めちゃくちゃ泣きました。嗚咽…(T^T)

良いシーンでした。

 

終始、盛大に気持ちがすれ違う2人なんですが、

結局はお互いに強く想いを寄せ合う2人なのです。

拗らせていたのは、

自分の気持ちをこれでもか!と抑え込んでいた恭介もですし、

告白したけれど恭介に拒絶された佳純も、

恭介を忘れようと既婚者の女性と不倫に走ったりと、

相当に拗らせていました(^^;

僕には彼女がいる。

恭介が側にいなくても大丈夫、やってける。

ぽっかり空いた穴を彼女が埋めてくれると、

偽りの愛で傷を塞いでいたんですね…。

 

恭介と佳純は2人で一人前と言うか、

2人で1つなんだな~と読み終わって思いました。

ぼんやりおっとりな佳純の世話を焼くしっかり者の恭介と、

がむしゃらに突っ走る恭介を、

まぁ~まぁ~ゆっくりしなさいよと落ち着かせる佳純。

足りないものを補い合う2人が、

わたしには十分に ”幸” に見えました(^^)

 

もふもふ枝子先生、初読み作家さんでした。

かなり良かったです♪

ドラマチックな感じで非常に好みなBLでございました。

 

飯テロBLのカテゴリーをつけたのですが、

恭介がけっこうお料理上手で、

朝ごはんにクロックムッシュとか作ってるんです!

スープとかお鍋とか作ったりもしてて。

それを佳純がおいしそうに食べるんですよ~。

ほっぺにパンくずつけながら♪

愛しいやら美味しそうやらだったので飯テロ認定しました(^ω^)

 

 

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