しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『囀る鳥は羽ばたかない3』(作者:ヨネダコウ)

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真誠会若頭の矢代は、男なら誰でもいい淫乱と噂される男だったが、
部下には出を出さないと決めていた。
けれど、付き人兼用心棒の百目鬼だけは例外だった。
性的に不能で感情を見せない百目鬼の存在は、
何をしても性的対象として見られることのない安心できる存在のはずだった。
一方、何者かの銃弾に倒れた矢代を目にした百目鬼は、
自分の矢代への想いがなんであるのか、はっきりと理解した。
矢代のために変わることを決意した百目鬼と、そんな百目鬼に戸惑う矢代。
ふたりの関係が変わり始めた…!?

 

わたしのお気に入り ”真珠のイチモツ竜崎” が、

この3巻でクローズアップされています!

初回から言ってますが、バカなんですよね~竜崎。

バカまっしぐらでみっともなくて情けなくて、騙されて捨て駒のように使われて。

 

”矢代を殺ってこい できねぇなら 矢代でなく お前を切る” 

どうやら矢代襲撃を仕組んだのは平田組長で、

容易く言いくるめられる竜崎に手を汚させる筋書きを描いたよう。

躊躇する竜崎に、”まさか矢代に情でもあるんじゃねぇだろうな?” と。

 

情、湧いてます。おそらく昔々から湧いてます。

2巻で語られていたように、

若かりし頃、矢代さんと乳繰り三昧の日々を送っていた竜崎。

事が終わった後、

風にそよいでさらりと光る矢代さんの細い髪をぼんやりと眺めながら

”お前 男に惚れたりすんのか?”とたずねます。

”惚れたりとか もういい” と流すように答える矢代さんは、

”それよか、次ヤる時はボロ雑巾みたいにもっとメチャクチャに扱ってよ” と

微笑み返し。

それを真剣なまなざしで見つめる竜崎。

(もっとお前を大事にしたいんだと言ってるみたい)

すごく細い、今にも切れそうなか細い糸で2人が繋がってるように見えて、

どうか切れないで欲しいなと思ったシーンです。

この頃から、すでに竜崎は矢代さんを気にかけていたと思われます。

 

竜崎は殺し屋に、

矢代を狙う際にはできるだけ急所を外すよう注文をつけます。殺さないようにと。

それが平田組長の知るところとなり、追われる身となった竜崎。

 

何とか体を起こせるようになっていた矢代さんは、

雲隠れした竜崎を捜索するとともに、事件の真相を探ります。

しかし、いまだ右腕は動かない上に、弾傷も癒えておらず満身創痍の状態。。。

”次は絶対に守ります” と言う百目鬼は、片時も矢代さんの側を離れません。

”矢代さんの手足となり 矢代さんの望むことをする” と決めています。

 

ここからの百目鬼アンストッパブル

守りたい気持ちが強くなりすぎて、制御できなくなっていきます。

矢代さんに向かってくる輩には鉄拳制裁!

それが矢代さんのセフレであっても、容赦なく喉輪かまします!

そして、矢代さんへの想いも止められなくなっています。

右腕が動かせず、オナるのもままならない矢代さんに、

”俺が手伝います” と、手で扱きはじめ、さらには口で舐めてムラムラを処理!

百目鬼の行動に戸惑いを隠せない矢代さん。

だって、今まで一方的にしゃぶる側だったし、

百目鬼だってこんなガツガツしてなかったし、そりゃビビりますわな。

 

でも、わたし、嫌いじゃないです…。

矢代さんが百目鬼に舐められて苦しそうにイクとこ。

「こいつは何をしてんだ!?」と、戸惑う気持ちと、

「もっとシて欲しい!」と思う気持ちのせめぎ合いの中で、

悶えながらイクとこ、嫌いじゃないんだよな。

むしろ胸キュンすら覚える。(はぁ~また変態が顔出した…-"-)


『囀る鳥は羽ばたかない2』(作者:ヨネダコウ)

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真誠会若頭で真誠興業の社長である矢代は、ドMで変態、そして淫乱だ。
元警察官で付き人兼用心棒の百目鬼は、
矢代を綺麗と言ってはばからず、心酔している。
だが、矢代が昔から想いを寄せる影山と、その恋人久我の存在を知ると、
次第に百目鬼の矢代への想いも変化し、それを自覚していく。
そんなとき、矢代が何者かに狙われる。

 

百目鬼の覚悟を見る」第2巻。

 

何者かに襲撃され銃弾に倒れた矢代さん。

救急搬送される車内で、肩を震わせ祈るようにうなだれる百目鬼の姿を、

薄れゆく意識の中、見つめます。

一命はとりとめたものの、右腕に麻痺が残る不自由な状態となってしまいます。

皆が見舞いに訪れる中、いまだ姿を見せない百目鬼は、

矢代さんを守れなかった自分を責め、小指を切り落とします。

この時の百目鬼の目が、今までのふわふわとした宙ぶらりんな自分と決別し、

命に代えてもこの人を守り、一生この人の側にいる!と

覚悟を決めた目になっていました。

 

病室で静かに眠る矢代さんを見つめる百目鬼

そのまま立ち去ろうとしますが、起きていた矢代さんに呼び止められます。

”見るだけ見て勝手にいなくなんじゃねぇよ 目ぇ開けにくいだろーが” と、

いつものくだけた口調で話しかける矢代さんを見て、涙を流す百目鬼が切ない…(T^T)

”泣くなよ…” とささやく矢代さん。で、to be continued… (くぅ~!!)

 

ストーリーにぐんぐん引き込まれていく2巻目ですが、

箸休め的に、ちょいちょい出てくる淫乱矢代さんがめっちゃ良いのだ。

元警官の百目鬼におまわりさんのコスプレをさせてフェラしたり、

百目鬼の初エッチ話でオナったり、

わたしのお気に入り→真珠入りのイチモツを持つ竜崎と事務所でヤったり。

Go!Go!矢代さん!すっげぇ好きだ(^^)

 

そんな矢代さんのドM・変態・淫乱の過去ストーリーも2巻で描かれています。

自分の「黄金時代」だと言っていた19歳の頃の矢代さんは、

若かりし竜崎を含む、ヤクザのチンピラたちの性欲処理にされていました。

自ら進んでヤクザたちに抱かれる矢代さんに、

当時まだ組の若頭であった三角さんは言います。

”プライドってのは有るか無いかじゃなく 在り処が問題だ”

”お前のプライドは面白いところにある 例えるなら足の裏辺りだ” と。

他の人はもっともっと上の方に ”ドーン!” と振りかざすように持ってるのに、

矢代さんは下の下の下~の方、踏みつけるところにある。

まるで隠すように見えないように悟られないようにしてるみたいに。

それを見抜いた三角さんは、早々に矢代さんをお気に入り登録し、

”ヤりたくなったら俺んとこに来い 相手してやる” と一言。(カ、カッコイイ…≧▽≦)

 

物語が大きく動き出しました。

矢代さんの状態や、百目鬼の想いの行方は…。

暴力団幹部襲撃」の新聞記事を見つめる

”真珠のイチモツ竜崎” の手に握られた拳銃は…。

 

劇場版アニメ『囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather』は、この辺りで、

「Omoinotake/モラトリアム」が流れてエンディングをむかえています。

♪行き交う人々 水溜まりに映る ぼやけた信号 赤色のままで~♪ (とっても良い曲!)


『囀る鳥は羽ばたかない1』(作者:ヨネダコウ)

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真誠会若頭(しんせいかい わかがしら)であり、
真誠興業の社長である矢代(やしろ)。
金儲けが上手で、極道としての嗅覚と才能には恵まれているが、
とにかくドMでド変態でド淫乱で、抱かれた男は数知れず…。
そんな矢代のもとに、
百目鬼力(どうめきちから)が付き人兼用心棒としてやってくる。
部下には手を出さないと決めていた矢代だが、
どうしてか百目鬼には惹かれるものがあった。
矢代に誘われる百目鬼だが、
ある理由によりその誘いに応えることができない。
訳ありすぎる幼少期を経て、
親友への叶わぬ想いを隠しながら自己矛盾を抱えて生きる
矢代と、愚直なまでに矢代に従う百目鬼
傷を抱えて生きるふたりの物語が始まる!

 

スカベリ先生がBL界のキングならば、中村明日美子先生はレジェンド。

そして、ヨネダコウ先生はロイヤル」

そう、BL界に君臨する ”気高き貴公子” です!

 

ヨネダコウ先生代表作『囀る鳥は羽ばたかない』は、現在7巻まで出ています。

次の8巻が出るのは1~2年後になるでしょうか…(T^T)

待ち遠しくてたまりませんが、

感想を書きながら、何度も読み返しながら、楽しみに待つこととします。

 

ドMで変態で淫乱ネコで幹部の公衆便所etc、数々の異名を持つ矢代さん。

さっそく、付き人兼用心棒としてやってきた百目鬼のイチモツをシャクりはじめます。

部下には手を出さない主義ですので、手の代わりに口を使ってしゃぶります。

ところが、”俺、インポです…” と百目鬼

”先に言え…アゴが痛ぇ” と矢代さん。

2人の掛け合いがたまらない!

最高のオープニングから『囀る鳥~』シリーズがスタート!

 

”立ってるだけですごく綺麗で こんなに綺麗なひとがいる世界なら

  ヤクザもそう悪くないかと思いました”

百目鬼がぼそっと呟くこのセリフがすごい好き。

三つ揃いのスーツをスラリと着こなし、しなやかに煙草をふかす矢代さんの佇まい。

ヤクザらしからぬ高貴さを感じます。

そんな矢代さんにしゃぶられて勃たないってどういうこと?!

”俺の舌技を完全無視だぜ…” と矢代さんも嘆くほど、

わたしも百目鬼のインポを呪う…。

 

ヤクザ組織・道心会(どうしんかい)の大幹部であり矢代さんの上司、

いわゆる親父である三角(みすみ)さんも、百目鬼と同様に矢代さんに惹かれる一人。

矢代さんに組を持たせ、ゆくゆくは自分の跡目を継がせたいと思っています。

「公衆便所」と矢代さんが揶揄される所以がこの三角さんで、

昔々、2人が愛人よろしく体の関係を持っていたのでそう呼ばれるようになったそう。

 

三角さんの直属の部下である平田(ひらた)組長。

矢代さんの先輩にあたりますが、この人がまた曲者で、口には出しませんが、

態度や振る舞いから ”お前が100%嫌いだ!” と全力で告げています。

矢代さんも ”男の嫉妬ほど手に負えねーもんはねぇ” と、

三角さんの寵愛を受ける自分を平田が嫌っていることをわかっています。

 

平田組長の部下・竜崎(りゅうざき)。

矢代さんと兄弟分で、同級生的な位置づけ。

わたし、この人けっこう好きだ。

頭が切れる矢代さんと違い、すぐ人に言いくるめられちゃって、

いいように使われて、ポイって捨てられちゃうような人なんだけど、

人間味があって、バカだけど真っ直ぐで正直で、

ヤクザらしからぬピュアな心を持つ唯一のキャラだと思う。ので、なんか好き(^^)

 

組事務所で久しぶりに矢代と顔を合わせた竜崎が憎まれ口をたたいたところ、

”そんなに俺の下半身が忘れられねぇなら いつでも来な”

”ご自慢の真珠入り ケツの穴空にして待ってから” と、

矢代さんにイチモツを ”さすさす” 擦られながら切り返され、

図星を突かれた竜崎は ”メスが!” と捨て台詞。

また言いくるめられちゃった…(笑) かーわい♪ 竜崎(^^)

 

”何でもします あなたの側にいられるなら こんなに誰かに惹かれたことはありません”

いつものように矢代さんにシャクられながら、側に置いて欲しいと告げる百目鬼

部下には手を出さないと決めている矢代さんですが、

ぶっちゃけ、百目鬼は好みのタイプど真ん中だと本音を漏らしてしまいます。

”俺に抱かれたいとか思うんですか?” と問う百目鬼に、

”お前は優しそうな普通のセックスしそうだから嫌だ” と答える矢代さん。

このシーンで1巻は to be continued…

 

ー人間(ひと)を好きになる孤独を知った それが ”男” だという絶望も知ったー

1巻を経て、

ー近そうで、遠い。触れられそうで、触れられない。変わってゆくふたりの関係はー

2巻へ続くと。

 

おもしろい作品って、あっという間に読み終わってしまいますね。

登場人物すべてがカラフルで味があるキャラばっかりなので、読んでてすごく楽しい。

BL枠を飛び越えた、素晴らしいヤクザノワールの世界。


部長のひとり言『2021年総括』

しろくまBL部、総括。BL本購入冊数。

7月3冊 8月47冊 9月40冊 10月64冊 11月50冊 12月54冊 

 

今年はBL元年となりました。

7月からBLにハマって早や半年。

めくるめく世界にいまだどっぷりと浸っております。

 

あらためて冊数見たら恐ろしい…。買いも買ったりです…(^^;

7月から8月にかけての冊数増し増しが、ハマり感を如実に表しています。

そう、7月はまだ戸惑いがありました。

BL、読んでいいかしら…?的な、躊躇感。

で、8月になって暑さも相まって吹っ切れたんでしょうね。

”オレはBL王になってやる!” 的な、ワンピース感。

 

あれよあれよと読んでいくうち、

エロだのフェラだの乳首だの、余計なフェチばっか増えちまったぜ(笑)

 

さて、来年はどんなBLが出てきますかね~。

新しい年が楽しみです(^^)


『それでも、やさしい恋をする』(作者:ヨネダコウ)

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出口晴海(でぐちはるみ)が好きになったのは、小野田良(おのだりょう)。
三歳年下のストレート。気がつくと、好きになっていた。
友達でいい。そう思っていたのに、どんどん好きになっていった。
素直になれなくて、不安になって、ささいなことに幸せを感じて、
言えない言葉がたくさんたまっていって…。
誰かを好きになる切なさと幸せがここに。
『どうしても触れたくない』のスピンオフ作品。

 

一緒にいるだけで楽しくて、軽く微笑みかけてくれるだけでうれしくて、

ちょっと触れただけで顔が赤くなって、傍にいるだけで幸せな気持ちになる。

まるで少女漫画みたく、恋する乙女のような出口さんがかわいい。

 

友達の関係でいいと思っていた出口さん。

彼女と手を繋いでデートする小野田を見た時、

あの繋いだ手が羨ましい……と思っている自分に気づきます。

もっと小野田に近づきたい、もっと傍にいたいと思い始めます。

そんな出口さんの想いにまったく気づいていない、超・鈍感な小野田は、

平気で出口さんの心を搔きむしり、小さな傷をつけまくります。

(いい加減わかるだろ!気づけよ!と、後々、出口さんに叱られます)

 

乙女でガラスのハートを持つ出口さん。

小野田に告白しようにも、電話するだけで手がブルブル震えるし、

小野田家の前で何時間も告白の予行演習する始末。

しかも、意を決した告白も、

”前向きに検討します…!” という小野田の、まさかの一旦持ち帰ります状態。。。

 

2人、つかず離れずの宙ぶらりん関係が続くこと数週間。

ガラスのハートが粉々に砕け散る前に、この関係を終わりにしたいと告げる出口さん。

無理して好きになる必要はないと小野田に言います。

別れを切り出されて初めて、小野田は自分の気持ちに気づきます。

出口さんのことちゃんと好きになっていたけど、

大事にできるかどうかわからなくて不安だったこと。

いつも傍で笑っていて欲しいと思ってることを伝えます。

 

出口さんの三年間の片想いが実って、ようやくお付き合いを始めた2人ですが、

小野田の悩みは深まる一方です。そう、セックスどうする?です。

三歳年上で、心は乙女だけどめちゃくちゃかっこいい出口さんですから、

おそらく自分はネコ……挿入られる側であるだろう。。。

”でも大丈夫!資料を読んで勉強しましたから、どこからでもかかってきて下さい!”

覚悟を決め、ベッドに横になる小野田に、静かにキレる出口さん。

”俺が抱いて欲しいって言わなきゃわからんか!” と。

小野田の天然が出てて良いシーンでした(^^)

その後の、”どんなに俺がやらしいことしても絶対にひくなよ” と言う出口さんが、

めっちゃエロくて最高でした。

 

『どうしても触れたくない』は切なさで胸いっぱいになりましたが、

『それでも、やさしい恋をする』は切なさもありつつ、

小野田さんの超鈍感のド天然が入っていることもあり、

微笑ましい気持ちになりました(^^)

やっぱりストーリー良いです、ヨネダ作品!