しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『囀る鳥は羽ばたかない1』(作者:ヨネダコウ)

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真誠会若頭(しんせいかい わかがしら)であり、
真誠興業の社長である矢代(やしろ)。
金儲けが上手で、極道としての嗅覚と才能には恵まれているが、
とにかくドMでド変態でド淫乱で、抱かれた男は数知れず…。
そんな矢代のもとに、
百目鬼力(どうめきちから)が付き人兼用心棒としてやってくる。
部下には手を出さないと決めていた矢代だが、
どうしてか百目鬼には惹かれるものがあった。
矢代に誘われる百目鬼だが、
ある理由によりその誘いに応えることができない。
訳ありすぎる幼少期を経て、
親友への叶わぬ想いを隠しながら自己矛盾を抱えて生きる
矢代と、愚直なまでに矢代に従う百目鬼
傷を抱えて生きるふたりの物語が始まる!

 

スカベリ先生がBL界のキングならば、中村明日美子先生はレジェンド。

そして、ヨネダコウ先生はロイヤル」

そう、BL界に君臨する ”気高き貴公子” です!

 

ヨネダコウ先生代表作『囀る鳥は羽ばたかない』は、現在7巻まで出ています。

次の8巻が出るのは1~2年後になるでしょうか…(T^T)

待ち遠しくてたまりませんが、

感想を書きながら、何度も読み返しながら、楽しみに待つこととします。

 

ドMで変態で淫乱ネコで幹部の公衆便所etc、数々の異名を持つ矢代さん。

さっそく、付き人兼用心棒としてやってきた百目鬼のイチモツをシャクりはじめます。

部下には手を出さない主義ですので、手の代わりに口を使ってしゃぶります。

ところが、”俺、インポです…” と百目鬼

”先に言え…アゴが痛ぇ” と矢代さん。

2人の掛け合いがたまらない!

最高のオープニングから『囀る鳥~』シリーズがスタート!

 

”立ってるだけですごく綺麗で こんなに綺麗なひとがいる世界なら

  ヤクザもそう悪くないかと思いました”

百目鬼がぼそっと呟くこのセリフがすごい好き。

三つ揃いのスーツをスラリと着こなし、しなやかに煙草をふかす矢代さんの佇まい。

ヤクザらしからぬ高貴さを感じます。

そんな矢代さんにしゃぶられて勃たないってどういうこと?!

”俺の舌技を完全無視だぜ…” と矢代さんも嘆くほど、

わたしも百目鬼のインポを呪う…。

 

ヤクザ組織・道心会(どうしんかい)の大幹部であり矢代さんの上司、

いわゆる親父である三角(みすみ)さんも、百目鬼と同様に矢代さんに惹かれる一人。

矢代さんに組を持たせ、ゆくゆくは自分の跡目を継がせたいと思っています。

「公衆便所」と矢代さんが揶揄される所以がこの三角さんで、

昔々、2人が愛人よろしく体の関係を持っていたのでそう呼ばれるようになったそう。

 

三角さんの直属の部下である平田(ひらた)組長。

矢代さんの先輩にあたりますが、この人がまた曲者で、口には出しませんが、

態度や振る舞いから ”お前が100%嫌いだ!” と全力で告げています。

矢代さんも ”男の嫉妬ほど手に負えねーもんはねぇ” と、

三角さんの寵愛を受ける自分を平田が嫌っていることをわかっています。

 

平田組長の部下・竜崎(りゅうざき)。

矢代さんと兄弟分で、同級生的な位置づけ。

わたし、この人けっこう好きだ。

頭が切れる矢代さんと違い、すぐ人に言いくるめられちゃって、

いいように使われて、ポイって捨てられちゃうような人なんだけど、

人間味があって、バカだけど真っ直ぐで正直で、

ヤクザらしからぬピュアな心を持つ唯一のキャラだと思う。ので、なんか好き(^^)

 

組事務所で久しぶりに矢代と顔を合わせた竜崎が憎まれ口をたたいたところ、

”そんなに俺の下半身が忘れられねぇなら いつでも来な”

”ご自慢の真珠入り ケツの穴空にして待ってから” と、

矢代さんにイチモツを ”さすさす” 擦られながら切り返され、

図星を突かれた竜崎は ”メスが!” と捨て台詞。

また言いくるめられちゃった…(笑) かーわい♪ 竜崎(^^)

 

”何でもします あなたの側にいられるなら こんなに誰かに惹かれたことはありません”

いつものように矢代さんにシャクられながら、側に置いて欲しいと告げる百目鬼

部下には手を出さないと決めている矢代さんですが、

ぶっちゃけ、百目鬼は好みのタイプど真ん中だと本音を漏らしてしまいます。

”俺に抱かれたいとか思うんですか?” と問う百目鬼に、

”お前は優しそうな普通のセックスしそうだから嫌だ” と答える矢代さん。

このシーンで1巻は to be continued…

 

ー人間(ひと)を好きになる孤独を知った それが ”男” だという絶望も知ったー

1巻を経て、

ー近そうで、遠い。触れられそうで、触れられない。変わってゆくふたりの関係はー

2巻へ続くと。

 

おもしろい作品って、あっという間に読み終わってしまいますね。

登場人物すべてがカラフルで味があるキャラばっかりなので、読んでてすごく楽しい。

BL枠を飛び越えた、素晴らしいヤクザノワールの世界。