廃品回収を営む晴仁(はれひと)と桜次郎(おうじろう)。晴仁の手は魔法のように
修理を施す。壊れているはずの桜次郎の心さえ、彼の熱い手で背中を抱かれた
途端に動き出したほどだ。そんな時、眠る少年の回収を依頼された。
蘇るかつての真夏日。あの日、桜次郎は晴仁に廃品として”回収”されて…。
お久しぶりの上田アキ先生です。
久々に読んで、やっぱりこの絵好きだな~と改めて思いました(^^)
ストーリーはいつも良いんですけど、
今作は特に甘さ控えめでシリアスっぽい感じでした。
「廃品を修理しつつ人の心も直します」みたいなハレさんと、
廃品の山の中からハレさんに拾われた桜次郎の物語。
「こちらは廃品回収車です。
ご不用になったものはございませんか。壊れていてもかまいません。
大きいものや重たいものなど、どんなものでも回収いたします」
おなじみの廃品回収のアナウンス。
この方達は一体どうやって生計を立てているんだろう?と
疑問に思ったこと多々あります。
ファンタジー要素多分にありますが、
その疑問が多少は解消されました、これを読んで(^^)
回収したものを修理して掃除して綺麗にして、
再び売れる商品にして販売する=お金になる。
そしてお休みの日に買い物に出たらば、
”いつも回収ありがとう” と、
街の人からお野菜やお魚や果物をたくさん頂く=食料確保。
うん、暮らしていける♪と回答を得ました(^^)
そうやって暮らしているハレさんは、
ある日、廃品を回収してほしいとの電話を受けました。
現場に行くと、1人の青年が捨てられていました。
”粗大ゴミだよ。スクラップにでも何でもしてよ” と言う青年。
”直るか直らんかはやってみんとわからんよ” と、
ハレさんはその大きな青年を回収しました。
それからハレさんの職場兼自宅で一緒に暮らしながら、
事務処理&ネット管理の仕事を任された青年・桜次郎は、
ボロボロになった廃品たちがハレさんの魔法の手によって
蘇っていく様を目の当たりにし、
”あの手をもってして俺のことも大事にしてくれないだろうか”
なんて思うようになっていました。
それから時が経ち、ハレさん以上にデッカく育った桜次郎。
ハレさんに対する気持ちもそれはそれはデッカく育っていました。
そんな時、またもや1本の電話が。
”壊れて動かないからもう不用になったの。
廃棄するなり修理するなりお好きにして下さい” と、
車イスに乗って眠る少年を捨てに来た両親。
作中、桜次郎も言っていましたが「非常に胸クソが悪い」光景で、
唖然とする感じ。
”何でも回収してくれるって言うから持ってきたのに…” と、
表情一つ変えずに子どもを捨てに来るんです。
姥捨て山じゃねぇぞ!と怒る気も起きない。
しかもその父親は、なんと桜次郎を廃品回収に出した人だった!
オマエーー!!!と沸騰寸前の心をハレさんが回収してくれました。
”壊れてるのはアンタだ” と。
”俺の大事なモン(桜次郎)まで壊すんじゃねぇ!” と。
ハレさんと桜次郎の諭しによって、
ほんの数ページでこのクソオヤジは改心して人間の心を取り戻してましたが、
もっともっと叩き直してやっても良かったのではと思ってしまいました。
まぁオヤジさんにも色々事情があったようですが、
一度ならず二度までも子を捨てるとは!
とてもじゃないが幸せを与えることはできんと思ってしまった(-"-)
しかしこれによって桜次郎の心が吹っ切れて、
オヤジはオヤジでご勝手に。
オレはオレで幸せに生きるからと、
やっと自分の心を修復することができました。
ハレさんにも ”好きだから” と告げることができましたし、
”一生一緒に生きますから!” と、
ハレさんのじいちゃんのお墓の前で宣言もできました。
一件落着のめでたしめでたしです♪(^^)
(子捨てのクソオヤジはもう除外除外です^^;)
上田アキ先生の甘いエロは今作では拝めず、
甘いキス止まりだったのがちょっと残念でした。
たぶんキスの感じからして、
黒髪受けのハレさんで長髪攻めの桜次郎で成立だと思われます。
長髪をね、頭の上でクルッと巻いてお団子ヘアにする桜次郎が
めっちゃエロいと思うのはわたしだけでしょうか(^^;
後れ毛とか乱れた無造作な感じにゾワゾワしました。