しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『たとえばこんな恋のはなし』(作者:波真田かもめ)

 たとえばこんな恋のはなし  たとえばこんな恋のはなし

「男」が好きな「男」に恋しなきゃ…。
高校時代の失恋からノンケに恋しちゃいけないと、
恋愛自体を諦めていた明良(あきら)。趣味の料理ブログにある日、
「料理が上手なのはホモだからですか?」という失礼なコメントがつく。
犯人は九州で働く真面目でまっすぐが過ぎる優(まさる)だった。
そんな優が突然、同居したいと押し掛けてきてーー!?
ノンケ×ゲイ、現在進行形の実録BL。
その後のエピソードと、明良のモデル柳賢斗さんのインタビューを収録!

 

こちら、なんと実録!ノンフィクションBL!

おとぎの国の物語などではございません。

すべて実話でございます。

ちゃんと最後に、

モデルとなった方のインタビューも掲載されております。

 

そのインタビューを読んでいると、

2人の姿がほんとに自然で、

一緒にいることに無理がない。

運命の人というか、一緒になるために、

出会うべくして出会った2人なんだな~と思いました。

 

相手が男にしろ女にしろ、

人生を共に歩める人に出会えるってすごいことですよね。

少子化だなんだと言われていますが、

現時点での日本の総人口約1臆2000万人の中で、

たった1人の人を見つけるのって至難の業です。

神様でも知り得ない。

奇妙だと思われるような出会いが、

自分を幸せへと導くものになるかもしれない。

そう思うと、

良くも悪くもどんな出会いも一期一会と思って

大切にしなきゃいけないなと思いました(^^)

 

文句ばっかり言ってくるおっさんだって、

もしかしたら、

わたしを幸せに導く何かを持ってるかもしれない!

 

(いや持ってねぇな。ありゃただの文句タレだな^^;)

 

ということで、実録ノンフィクションBLが、

波真田かもめ先生の手によって、

なんともキュートでおもしろく、

少し切なくてとっても甘いBLコミックへと昇華されました!

 

BLって、

ファンタジーの世界だからこそ、

楽しんで読めるようなところがあって、

そこにリアルが垣間見えると、

ちょっと生々しさが漂って引いてまう…?かなと思って、

正直、今作を買おうかどうか迷っていました。

 

しかし実際読んでみたら、心配は皆無でした(^^)

一番は、波真田かもめ先生の絵の力が偉大だったこと。

今更ですが、先生の絵はとっても可愛らしい!

可愛らしさの中に、

凛とした強さを秘めるキャラたちが動いてて、

リアルなんだけど生臭さがまったくない!

これが良かった。

 

もうひとつは、

ファンタジーがリアル世界に舞い下りたかのような

明良と優の出会い方。

SNSで誰とでも繋がれる今は、

そういう出会いもおとぎ話ではないのかもしれませんが、

明良のブログに優が書き込んだ失礼なコメント。

今ならコメントブロックして、

”はいさよなら~” で終了してそうですよね。

 

でも、

実直に正直に謝罪する優の素直さが明良にちゃんと伝わる。

優みたいに良い意味で堅物で律儀で誠実な人って、

リアルでそうそういないです。

ファンタジー世界のようなコメント上での出会いが、

2人の運命を変えたんです。素敵やん♪(^^)

 

2人の幸せまでの道のりには、

幾多のすれ違いと勘違いと世間体と家族の理解と

色々な障害がありました。

それ以前に、ノンケ相手に手痛い傷を受けていた明良は、

再びノンケの優とどうこうなろうとは思ってなかったんです。

勝手に家に押しかけて来た優に迷惑してたぐらい。

おまけに「好き」まで押しつけてきおって!と。

 

だけど同居しててね、

ノンケに傷つけられてね、

ずぶ濡れになって帰って来てですね、

ふわっふわのタオルでくるんでくれて、

頭ワシワシ拭いてくれて、

笑いかけてくれる優を拒めますか?

ぎゅっ!と抱きつくでしょうが!

好きになるでしょうが!

キスもしたくなるでしょうが!

 

気がついたら、

優のことすっごい好きになっちゃってた明良です(^^)

 

2人両想いになって、同居からの同棲突入!

蜜月蜜月♪ ……と思うでしょ。

先にも書いてますが、

堅物・律儀・誠実な3優でございます。

おいそれと軽くキスやハグなんていたしません。

手順踏みます、ちゃんと。

前もって予告キスのメッセージ送ります。

”今日キスします” って。

 

恥っず……恥ずかしいわっ!って明良(^^;

内心は超~うれしいんだけど♪(≧▽≦)

 

キスやハグでこれですからね、

まぁ~セッ〇スまでの道のりは相当でしたです、ハイ。

 

マイペースを崩さない優にイライラする明良で、

さらには優の実家での見合い話なんかも浮上して、

セッ〇スすんのかい!せーへんのかい!どころじゃなく、

別れ話も出る始末で。。。

 

山あり谷あり、1年間の音信不通ありで、

2人、よく幸せになれましたね!というぐらいの

長い長~い道のり。

しかし、とっっっても楽しく読めました(^^)/

涙しましたし、素晴らしい感動も覚えました。

 

この作品が出版されたのは2017年。

今現在でも、

お2人が幸せでいらっしゃったらいいな~と思います♪

 

 

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