その未来はユートピアか、それともディストピアか。
欲望のために”所有”する「ロボットの伴侶」
命を奪わず肉食も続けられる「培養肉」
妊娠も出産も不要になる「人工子宮」
簡単にこの世を去れる「自殺マシン」
先端科学が約束する未来は、本当にバラ色なのか?
テクノロジーと生命倫理の境界線上を歩くルポルタージュ。
先日書きました『noe67~笑わないセクサロイド~』と、
微妙に繋がる書籍を読みましたので、
本日はこちらの本をご紹介でございます。
『セックスロボットと人造肉』
「性愛」「肉食」「生殖」「自死」。
★高性能AIを搭載し、あなたの欲望をすべて叶えるロボットは
「完璧な伴侶」になりうるか?
★人工で培養した肉は動物たちを守り、気候変動を防ぎ、
地球を救うだろうか?
★妊娠も出産も代理母すら必要ない人工子宮による生殖は
本当に女性たちを社会的に救うのか?
★人間にとって「満たされた、完璧な死」とは何なのか…?
この本の「はじめに」のところに書かれているんですが、
iPhoneを開発したスティーブ・ジョブズさん。
iPhoneを世に送り出すときに、
”市場シェアの1%を獲得できれば上出来”
そう思っていたんですって。
これは初代iPhone発表会での発言で、2007年こと。
さぁ、2023年現在。
どうですか?皆さん。
スマホ持ってない人探す方が難しいほど、
老若男女、猫も杓子もスマホ持ってます(^^)
みんながみんなiPhoneじゃないですけど、
とりあえず、ほとんどの人が持ってます。
今の世の中、スマホありきの社会になってて、
生きていく上で不可欠なものといっても過言じゃないと思います。
まさかジョブズさんも、
こんなまでになるとは予測していなかったのではないでしょうか。
毎日あくびしてケツ掻いて平々凡々に生きるわたしのすぐ横を、
猛烈なスピードでチャカチャカとせわしなく動き、
進歩していく科学技術。
2007年のジョブズさんの言葉から約20年でこの進化。
わたしたちの社会を、未来を、どう変えていくんだろうか?
ということを「性愛」「肉食」「生殖」「自死」の
項目に分けて書いている本書でございます。
読んだ感想としましては、
末恐ろしいなと思いました(^^;
もうすでに手をつけ始めてるものとかあるじゃん…と思って。
今話題のChatGPTなんか、
AIが自分で考えて受け答えしたり、
こんな感じでどっスか?って文章作ってくれたりするでしょ。
人間がやるべき仕事が、すでにAIに取って代わられてる…。
間違ったことはしない、口答えもしない、
いつでも従順なAIならば
それはそれは完璧な人生のパートナーになり得るかもしれません。
それから「肉食」。
「大豆ミート」ってよく聞きますよね。
観点もありますが、
やはり動物愛護という観点もそこに含まれてる。
大豆ミートももうすでに現代社会で市民権を得ちゃってます(^^;
あと、最後の「死」ですね。
読んでてふと思ったんですが、
”死なない” っていう選択肢はまだないんだなぁって(^^;
漫画だっけ?映画だっけ?
透明カプセルに入って、
目覚めたら何百年も経ってたっていう、
浦島太郎的なヤツなかったっけかな?(^^;
やっぱり「死」って永遠のテーマですし、
人間が侵してはならない禁忌の領域になるんかな?
神のみぞ知るっていう。
こういう、
絶対に思い浮かべてしまう映画があるんです。
『ターミネーター』
ご存じ、シュワちゃんのダダッダッダダです。
未来で繰り広げられる人類 vs 機械の終末戦争。
これもう、遠い未来の話じゃねぇなって思ったりして。
ターミネーターの世界みたいに、
そのうちAIが自分の意志を持ち、
人間の制御を無視して殺戮ロボットや殺戮兵器を量産し、
無能で下等な人間など要らぬ!と牙をむくんですよ。
人間が考えるスピードよりもはるかに速いスピードで、
物事を考え、情報を処理し、この終末世界を手に入れる。
人間の未来は終わるんです……orz
いやいや終わらないよ!終わらせないよ!(^^;
便利さとか快適さとか、人間が生活していく中で、
今更全排除なんてできるわけはなくて。
『はじめ人間ギャートルズ』みたいな世界には
もう戻れないわけで(^^;
じゃあ、
ターミネーターにならないためにどうするのかっていうと、
”そこに愛はあるんか?”
だと思うんです(笑)
某消費者金融のCMですが…(^^;
冷たい機械にならないようにする!
人を楽しませてくれる犬型や猫型のロボット、
快楽をもたらすセクサロイドも良いものだと思います。
心を豊かにしてくれますから。
介護ロボットだって配膳ロボットだって、
手助けしてくれるありがたいものです。
そういう私たちが生み出したモノたちに、
微かでもいいから愛情というか、敬意というかね、
なんか感謝みたいなもんを抱いていればね、
終末戦争は避けられるのではないかと、
そう幼稚なことを思うわけであります(^^;
『noe67~笑わないセクサロイド~』というBLから、
『セックスロボットと人造肉』という一般書籍に行って、
最終的には『ターミネーター』まで行きつくという、
自分の思考回路……中二病と呼ぶべからず?(^^;
ともあれ、『セックスロボットと人造肉』、
末恐ろしい気持ちになりましたが、
それでもなかなかに興味深い本でしたので、
良かったら、気が向いた時にご一読(^^)/