しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『スニーキーレッド2』(作者:たなと)

 スニーキーレッド2   スニーキーレッド2

フリーターの三崎(みさき)は、近所の大学生・釧路(くしろ)から
殴られ、犯される日々を送るうちに、自分がドMの性質だと気づく。
暴力的な肉体関係から始まった2人だったが、次第に惹かれ合い、
恋人同士に。そして大学4年になった釧路は、就職活動のストレス
で、再び三崎に暴力をふるい、乱暴に犯してくるようになる。
そんな釧路に戸惑いながらも、感じてしまう三崎は…。

 

前回に引き続き『スニーキーレッド』中編です。

 

どうしましょうか…まったく心が上向きませんよ。

どうか暴力ないようにと思いながらページをめくりましたが、

ただただ心が痛くなる暴力がまだそこにありました(T^T)

 

殴ってるハルも殴られてるミサキさんも痛い。

心がドス黒い何かに蝕まれて、

気持ちの持っていき場所がなくて、

どうしようもなくなって、結局また暴力をふるうハル。

これがもう、

1巻以上にまったく解せなくてダメでした…(>_<)

 

家族とうまいこといってない、

就活がうまいこといってない。

うまいこといってないことばっかのハルが、

フラストレーションを溜め込んで、

パンパンに膨らんだ拳を振り下ろした先は、

やっぱりミサキさんの顔面でした…(~_~;)

 

しかも2巻はさらにエスカレートしてまして、

一瞬、カニバリズムか?と思う恐怖のシーンがありました。

抑えられないフラストレーションゆえに、

セッ〇スの最中、ハルはミサキさんの肩に強く嚙みついて、

そのまま皮膚を食いちぎったんです!!!

これにはミサキさんも目を真ん丸にして、

衝撃の表情を浮かべていました。

 

なかなか、人生ってままならないじゃないですか。

生きるの楽勝♪なんて人はいないと思うんです。

みんな、思い通りにいかないことがあって、

希望通りの道を歩めなくて、

それでもなんとか折り合いをつけて、

自分なりに落としどころを見つけて、

それなりに、ま、いっか♪と思いながら日々生きてる。

 

ままならないからといって暴力に逃げる。

”ハル、お前はほんとにどうしようもない野郎だ” と、

そう思ってしまいました、はい…。

 

みんな挫折を味わってんだよ。

就活全滅したし、面接もコテンパンにやられたし。

この先に明るい未来なんてあんのか!?と思ったし。

それでもさ、大事な人に手を上げたりなんかしないぜ。

少々、当たり散らすぐらいはしたけどさ(^^;

 

心の支えであるはずのミサキさんに暴力をふるうハルを、

どうしても理解できませんでした、ハイ…。

 

しかし、実際ハル自身も、

自分で自分の拳を止められないことに悩んでて、

最低だと思ってるんです。

だけど、懐が深すぎるミサキさんに甘えというか、

ミサキさんは離れてかないよな?

俺の傍にいてくれるよな?的な、

ずっと俺の手を握っててね?みたいな、

無愛想で目つきが悪くて、

助けて欲しいと叫べない大きな子どもが、

親に縋ってるような、そんな空気を感じました。。

 

確かにね、

ミサキさんはそんなハルを決して見捨てません。

何か自分に出来ることはないかと模索します。

 

(ほんと懐が深すぎるよ、ミサキさん。

ハルを想う気持ちが海のように広すぎる)

 

あんなに酷い事をされながらも、

ボッコボコに殴られながらも、

(あっ、ミサキさんドMだから、

ちょっと興奮してチ〇コ勃起してるんですけどね…^^;)、

ハルのことをめちゃくちゃ心配するんです。

何がハルをそうさせるのか?

何がハルをこんなに追い詰めているのか?

ハルの心に影を落とすモノはいったい何なのか?

ハルのことをもっと知りたい、理解したい。

だってハルのことが好きだから!

 

まったくもって、

ミサキさんの包容力&器のデカさを感じた2巻です。

どんなハルでも俺は受け入れるよ!的なミサキさん。

無表情ながらも、淡々としながらも、

そんなミサキさんの傍を離れたくないし、

離したくないし、もっと優しく向き合いたいと思うハル。

 

3巻こそは甘い ”ボコり愛” であって欲しいと願う!

 

 

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