人生お疲れモードな桜庭貴一(さくらばきいち)、29歳。
独身を誓いあった親友は結婚してしまうし、恋愛も気がつけば
ご無沙汰ぎみ。親友の結婚式の帰り道、やさぐれた貴一は馴染み
のバーで酔っぱらって寝こけてしまう。目を覚ますとつやつや
ピカピカのイケメンが目の前にいて!? この夜をきっかけに、
貴一は20歳の大学生・木島尚(きじまなお)と週に一度だけハグを
する仲になるが…?気づいたら無性に愛おしくなってしまった。
極上のセラピーラブ。
”Give me a hug!”
どうかわたしにもハグを!
癒しをどうかこのわたくしめにも~~~
尚くんが言ってました。
ハグすると幸せホルモンが出るんだそうです。
だから ”はい、どうぞ♪” って両腕広げて、
ウェルカムハグでお出迎えされりゃ、
貴一さんも大人の理性を保つことができませんでした。
ぽふっと尚くんの腕の中に包まれて、
そのまま眠りに落ちてしまいました(^^)
29歳社会人の貴一さんと、20歳の大学生・尚くん。
10歳も年の差があるんですけど、
完全に尚くんの方が大人(^^;
お~よちよちって頭なでなでされて、
甘やかされる貴一さんが完璧なるお子ちゃまです(笑)
これはいかん!と思って、
貴一さんも大人の包容力を見せつけようとするんですが、
なぜがいつも最後はハグされてよちよちされて寝かしつけられてる(^^;
尚くんの可愛らしい笑顔と飾らない優しさに、
貴一さんだけでなく、読んでいるこちらも癒されました。
ずーっと一緒にいた親友が結婚するってことで、
”俺、あいつが好きだったんだな…” と、
初めて親友に対して恋心を抱いていたことを自覚した貴一さん。
行きつけのバーでヤケ酒をして正体不明になっていたところを、
バーでバイトをしている尚くんが介抱してくれました。
傷心の貴一さんを慰めるためにハグをしてくれた尚くん。
天にも昇るようなそのハグの心地良さに、
貴一さんは ”またしてくんねぇかな?” と、
尚くんにハグのデリバリーを頼みます。
最初は、なんて厚かましいんだと読んでて思ったんです。
お金払ってるわけでもないのに、ハグしろだの肩揉めだの、
貴一さん!尚くん便利屋さんじゃないですよ!なんて思って。
だけど、その後のストーリー展開が、
貴一さんサイド・尚くんサイドと、
両者の視点で描かれて進んでいくので、
単なるセクハラおやじ貴一ではなく、また、
単なるデリバリーハグ・尚くんではないことがわかりました(^^)
2人ともに、
大好きだった人にフラれるという過去を持っていて、
一歩踏み出すのに憶病になっていたんです。
お互いに気持ちが通い合っているだろうことは
薄々感じているんだけど、
それを言葉や態度に表わすことが出来ない。
そんなことして嫌われたら…、
このデリバリーハグ関係が壊れたら…。
そう思うと、怖くてそれ以上先に進めなかった。
だけど、やっぱりこういう時こそ大人の男気のみせどころ!
相手にわかってほしかったら、
自分の気持ちをさらけ出さねばならぬっ!
貴一さんの方からちゃんと好きだと言いました。
返事待ってると。
ちょっとナヨナヨしましたけども頑張りました(^^;
ハグ返しじゃないけど、今度は俺が尚を甘やかしてやると。
そして、尚くんは、
安心して貴一さんの胸に飛び込んで行きました。
”デリバリーハグの指名、変えないでね…”
なんて可愛いこと言いながら。
変えるかよ♪チクショ~♪です(≧▽≦)
2人のイチャエロは最後に少しある程度。
もっとイチャついてくれてもいいんだぜという感じでしたが、
そこはセラピーBLですから。癒しのエロでOKなのです。
(わたしの中では ”どエロ=セラピー” なんですけどもね…笑)
良い癒しBLでございました。
尖ったところがどこにもない。
身も心もまぁるくなれる優しいストーリー。
なんとなく、路上に降り注ぐミストシャワーのような、
マイナスイオンを感じる宮田トヲル先生作品でした(^^)/