しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『1人と一人の3650日』(作者:hitomi)

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10年前に「キモいんだけど」と酷い言葉で自分をフッた勝巳と
再会したゲイの牧。純粋に再会を喜ぶけれど、
ノンケのはずの勝巳が評判の悪い男とセックスをしていると知る。
過去、保身のために牧を傷つけた勝巳は見知らぬ男たちに乱暴に抱かれ、
痛めつけられることで赦された心地を得ていた。
その事実を知った牧は、勝巳にこう告げるー。
「僕が勝巳くんに罰をあげる」

 

完全なる表紙買い。そして、それに間違いはなかった。。。

この表紙、これ絶対良いでしょ!良いやつに決まってますでしょ!

え~いいやつでした!最高にいいやつでしたよ!(自己完結^^;)

切なそうに泣いている勝巳くん。その頬を両手で包み込む牧くん。

これ見ただけで、泣くーーーー(T^T)

 

過去の罪を引きずって、社会人になった今でも、

男との意味のないセックスで体と心に痛みを植え付ける勝巳くん。

贖罪なんでしょうが、切なくて痛々しいです……。

罰を求めるなら ”僕が相手をする” と告げる牧くん。

キスもしない、抱きしめもしない、ただ罰を与えるためだけの行為。

傷だらけの勝巳くんの体を見下ろす牧くんもまた切ないです。。。

だけど、徐々に牧くんのやわらかくて穏やかな優しさに触れて、

勝巳くんの心がだんだんと溶けていきます。少し笑ってくれた時なんて、

こっちまでホッとしてうれしくて泣きそうになりました(T^T)

最後のシーン、桜吹雪かな?

花びらが風に舞う中で、2人が交わす言葉がとてもやさしくて、

穏やかな明日を感じられて、ストンと心が落ち着く良いシーンでした。

 

途中、牧くんが「僕たちは、やり直せない事を悔やむだけの子供じゃない」って言葉を

言うんですが、ちょっと胸にきました。

”いくつになったって、いつだって、やり直せるし始められる”ってこと。

BL、ハマるの今になったけど「遅すぎることはない!」って、

勝手に背中押してもらった気分になってます(笑)

 

同時収録の「未熟な僕らは夏に為る」も良作でした。

田舎暮らしのユースケのもとに、都会育ちの大也がやってきます。

一緒に過ごすうちに、田舎で穏やかにユースケと暮らす日々を楽しく感じる大也。

ウブなユースケにいたずら半分でちょっかいを出したところ、

ユースケを ”かわいい” と感じる自分に気づいて……。

そりゃかわいいよ、君たちはかわいい!

短編ですが、中身は非常にしっかりしていて、ちゃんと山があります。

 

hitomi先生は、絵がすこぶるきれいな漫画家さんですね。淡い感じでやわらかくて。

新しい作品、何か描かれているのでしょうか?

出たら次も絶対読みますっ!