しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『性の劇薬』(作者:水田ゆき)

 f:id:sirokuma519:20220122093711j:plain   f:id:sirokuma519:20220122093742j:plain   f:id:sirokuma519:20220122093801j:plain

【あんたの気持ちいいところ、全部引きずり出してやる】
広告代理店に勤務する桂木誠(かつらぎまこと)は、
仕事もプライベートも完璧な人生を送っていた。
しかしある時状況が一変し、全てを失ってしまう…。
失意の最中、酔った勢いままにビルから飛び降りようとするも、
「捨てようとするなら…その命、俺に寄こせ」意味深な言葉と共に
現れた余田龍二(よでんりゅうじ)に助けられ、
言われるがまま命を預けることに。
そうして目覚めた瞬間から始まった徹底調教の日々に、
体だけでなく、心も開放されていく…

 

色々すごかった。

快楽に貶められるのは天国かと思いきや、

生殺しのような地獄に落とされるものなのかもしれませんね。

しかし、こんなすごい漫画をよく実写化できたもんだ。

エネ〇グラとかいろんな玩具出てきたけど、

それらも登場していたのでしょうか?(ちょっと観てみようかな?)

 

前半は、ものすごい調教のオンパレードでなかなか厳しかったです(^^;

こちらの身もよじれるほどの調教ぶりでした。

自殺しようとしていた桂木誠を助けた謎の男・余田龍二に、

”生きてることを実感させてやる” と言われ、

手足を拘束された状態で目を覚ました誠は、

ありとあらゆる手法で快楽を植え付けられます。

気持ちいいのキャパシティーが振り切れるほどの快楽だもんだから、

なんかもう~苦しそう(^^;

 

足枷をつけられて監禁状態の誠に龍二が与えているのは、

少量の食事と快楽のみ。

誠が最初に抱いていた ”餓死するかも” という恐怖は、

いつの間にか ”もっともっと…” と、

”快楽” に飢える恐怖に取って代わっていました。

龍二の帰りを今か今かと待ちわびる誠の胸の内が複雑…。

待ちたくなんかないのに…でも、早く(快楽が)欲しい!っていうね。

ここで初めて2人、セックスします。

そして、調教からの卒業と監禁からの解放を手にした誠。

 

しかし、すでに誠の心は龍二に捕らわれてしまっていて、

凌辱されたのに…と思いながらも、

「性」を通して「生」を与えてくれた龍二を好きになってた。

何もかも失って、何の価値もなくなった自分に、

龍二は ”俺の為に生きろ” と言って存在意義を与えてくれた。

だから、今度は自分が龍二を助ける番だと思った誠は、

いつも悲しげな顔をして快楽を感じる龍二の心を救おうとします。

 

龍二は幼い頃に、自分の不注意から招いた事故で兄を亡くしていました。

兄を溺愛していた両親も無理心中を図り亡くなります。

龍二は自分が家族を殺してしまったと、

ずっと心の中に「死」を閉じ込めて生きていました。

自分が幸せになってはいけない、

「性」や「生」を感じてはいけないと思いながら。。。

だけどあの日、誠と出会って、

快楽に悦がりながら「生きる」誠を感じて、

こんな自分を求めてくれる誠を抱きながら、

誠に ”生かしてもらっている” と思えるようになります。

 

ようやく一歩を踏み出した2人。

最後の描き下ろしの中に、

まだ、誠との快楽をためらう龍二が描かれています。

続編匂うな……と思ったら、出てました、続編!

『性の劇薬 Re:life』 楽しみだー(^^)