しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『目を閉じても光は見えるよ』(作者:丸木戸マキ)

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体の隅々まで俺たちはその形や味を知り尽くしていたが、
体以外はなんにも知らないのだった……。
人気AV男優の仁(じん)はある日、ゲイビ出演の話を持ちかけられた。
そこで出会ったネコ男優の光(ひかる)と体の相性がよかったため、
ふたりはバディを組み、頻繁に共演することになる。
仁と光のバディは人気を集め、順調に売れていたが、
実際は仕事上の体の関係だけで
お互いのプライベートのことは全く知らなかった。
しかしある時、ふたりは同じマンションに住んでいることが判明し…。

 

表紙がすごい素敵です。

優しみがあふれて、なんか母性に包み込まれてる感じ。

パッと見、銀髪の光がシティハンターの槇村香に似てるなって。

ちょっと急に、日村さんの ♪Get Wild 流れてきました(^^;

 

これを読むと、少々、ゲイビの世界に興味が湧いてきたりします。

物語の主人公・光と仁は、

誇れるような仕事じゃないと言いながらも、撮影を完璧にこなし、

文句のつけようがない仕事ぶりで、ゲイビ界で大人気の2人です。

彼らは、他の男優さんとは絡まない ”バディ” と呼ばれる間柄で、

常に2人で共演しています。

同じ相手とずーっとセックスしているので、情が沸くこと必然。

仁は、光を好きになります。

しかし、光には壮絶な過去があって、

その過去に捕らわれたまま、未来に進み切れずにいました。

 

光の過去が、

『水曜の朝、午前3時30分』という番外編で描かれているのですが、

すごく悲しくて切なかった…。

そこから救い上げてくれた仁さんがいて良かった。

光が ”幸せになっていいんだ” と、

仁さんがいる ”光りある場所へ自分が行ってもいいんだ” と、

そう思えた光の最後の笑顔に、こちらも救われました。

 

丸木戸マキ先生、初読みでしたがすごく良かったです。

シリアスな重い部分もあり、

最後どうなんの?大丈夫?って思いながらも、

ちょいちょいコミカルなキャラが出てきたりもして、

暗くなることなく読めました。

エロ修正も甘めで良きです(^^)