しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『鬼と天国』(作者:お吉川京子/阿賀直己)

     

高校勤務の青鬼(あおき)は、最低限しかやる気を出さない省エネ教師。
先輩教師にどやされ、なかなか教室に来ない生徒の様子見のために向かった
保健室で初めてまともに話した、どうにも掴めない養護教諭天獄(てんごく)。
熱心な教師を演じる青鬼の本性をあっさり見破って、にっこり笑顔。
この出来事で天獄のことが苦手だと再認識したはずなのに、
「赴任してきてからずぅっと見てた」とカミングアウトする天獄
更に青鬼のことを”純情”だと言って、いきなりくちづけをされてーー?

 

めちゃくちゃ良かったです!

上下巻ものなんですが、あまりにも良すぎて、

しばらくの間、下巻読み終わっては上巻に戻って読み返す、

というルーティンを繰り返していました。

余韻に浸りまくりでした。

 

青鬼先生は、小さい頃からお母さんの躾の延長で、

成績が悪かったりすると叩かれたり、木に縛り付けられたり

閉じ込められたりなどのお仕置きを受けていました。

それが、現在教師となった今でも、

頭の片隅にトラウマとして残り続けていて、

青鬼先生の心と身体を縛り付けています。

 

”あなたはいい子。いい子なんだから”

このお母さんの言葉と眼差しがフラッシュバックして、

彼女とセッ〇スをしようにも、

いけない行為をしていると思ってしまって勃たない…。

当然、お付き合いがうまくいくはずもなく…。

 

そんな時、天獄先生と出会います。

養護教諭天獄先生は、

いつも飄々としていて、つかみどころがない先生で、

青鬼先生がもっとも苦手とする先生でした。

なのに、なぜか好かれてしまった(^^;

人の心を読むのに長けている天獄先生は、

純粋さの中に闇を抱く青鬼先生に興味を持ったんです。

それからというもの保健室に呼び出しては、

青鬼先生の手首縛ってチ〇コ縛って口かせして、

SM紛いの行為を繰り返すように。

 

その行為の中で、まるで一枚一枚皮を剝いでいくように、

なぜか心が軽くなっていく青鬼先生。

”いい子でいる必要なんてない”

”いまのあなたのままで良いんです”

何度もそう言って抱きしめてくれる天獄先生を……、

好きになっちゃいました!青鬼先生。

女の子相手にはまるで役立たずだったこのチ〇コ、

天獄先生には勃っちゃうんだな、これが(^^;

 

上巻は、青鬼先生の過去の呪縛からの解放ストーリーという感じ。

なんかえらく泣いてしまったシーンがあって、

天獄先生が青鬼先生を縛って、

嫌がる青鬼先生のチ〇コをフェラするシーンがあるんですけど、

めちゃくちゃいけない行為をしているのに、

勃ってしまっている自分のチ〇コを見て青鬼先生が泣くんです。

むせび泣きながら ”気持ちいい…” って小さい声で呟くの。

母親の教えに背く行為をしているのに、

気持ち良くなっている自分がとてつもなく恥ずかしい。

どんだけ気持ち押さえ込んでたんだと思って泣いてしまった(T^T)

 

下巻は、逆に天獄先生の解放ストーリー。

天獄先生も人を本気で好きになれないという厄介な精神の持ち主。

当て馬が出てきたり、天獄先生のお兄さんが出てきたりと、

周囲が少々にぎやかになりますが、

根底に流れる青鬼先生と天獄先生ストーリーは揺るがず。

今度は青鬼先生が天獄先生を救います。

 

そして続編もありまして、

先日の竹書房の日でお安くお買い上げいたしました♪

読むのが楽しみであります!