しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『フェイクファクトリップス』(作者:末広マチ)

   

高校時代からのライバルで、営業部同期の良(りょう)と全(ぜん)。
成績から始まり、勉強・スポーツ・バレンタインチョコの数まで
何かと競ってきたふたりは就職先で偶然再会し、忘れかけていた闘争心が
よみがえり同期となった今でも次から次へと新たな勝負をする日々。
負け続きの全が今日も良の飲みに付き合わされていると、恋愛経験の話になり
いつものごとく言い合い勃発!成り行きで”抜き合い勝負”をすることになるが
更には挿入にまで発展!それだけでは収まらず、負けず嫌いの性格のせいで
引くことができないふたりの新たな勝負はなんと「先に落とした方が勝ち」。
オレら史上、最高に頭の悪い恋愛勝負開幕!

 

高校生の時からライバルで、

社会人になってもライバル同士の全と良。

顔を合わせると売り言葉に買い言葉のバトル勃発。

素直になれない者同士の意地の張り合い合戦。

1回素直になるチャンスを逃したもんだから、

お互い後に引けなくなっちゃって、

もう~ずんずん突き進むしかなくなってしまった。

 

そう、今2人は、

「先に落とした方が勝ち!」という勝負をしているのです。

なんとかアイツに ”お前なしじゃいられないと言わせてみせる!” と

あの手この手を使って口説き合戦を繰り広げています。

ワインとピザで仕事の労をねぎらったり、

良い所を褒めちぎったり、色仕掛けで迫ってみたり。

さらにはキスしてみたり、抱き締めてみたり、Hしてみたり。

 

さすがにもうね、君ら好きだから絶対に!と思いました。

負けず嫌いだけであんな熱烈なキスはしませんし、

あんなエロいHはいたしませんのですよ。

だけどこれは勝負であって、

お互い ”先に折れるわけにはいかん!” って思ってるから、

「素直になる」ってことからどんどん遠ざかる。

キスもHもしてんのに遠ざかる。これ如何に…(^^;

まぁ、どっちかが折れないとね…というか、

お互いに自分の気持ちを認めないと永遠にENDは来ないので、

さてどうでしょうかという感じなんですが。

 

わたしが読んで思ったことは、

やっぱり「受け」って分が悪くないですか?ということ。

分が悪いって言ったらちょっと語弊があるかもですが、

どうしても気持ち良くさせられちゃうじゃないですか、攻めに(^^;

いざ勝負!って言われたって、ガンガン突かれたら、

どんだけ頑張っても先にイっちゃうよ(^^;

そして、”イってるから~” って切なそうにするのが

わたしの喜びなんですっ!(久しぶりに変態出た…^^;)

そういうところで、

勝負は見えてるじゃんと思ったりしたわけなんです。

 

しかしですね、違いました。

受けの全の勝ちです。しかも無自覚な勝者(^^)

これは攻めの良も分かってるっぽい。

全は良のことがすごく好きで何をされても気持ち良くて、

どうやっても良に抗えないことを認めて、

素直に好きと言えなかったことを ”許せ…”

顔を赤らめて照れながら言うの。かわいいかよ~ヾ(≧▽≦)ノ

そう認めた自分が勝負の敗者だと思ってる全だけど、

実際はその逆で、

全のその無自覚な可愛さに、良は最初っから勝負を捨ててた。

”勝てる気がしねぇ~” って。

だけど、わざわざ負けを認めるのはシャクだから、

”ほんとはお前にメロメロだよ” なんて言わない。

全が気づくまでは勝者でいよう~って(^^)

 

まぁ~かわいかったです。

受けのかわいさ全部盛りみたいな感じでした。

意地っ張り受け大好きですっ!

最後のおまけ編で、普段やられっぱなしの全が ”俺が全部やる!” と。

”俺が良をイかせてやるから動くべからず!” と、

つたない動きで一生懸命奉仕しようとするんです。

だけど結局、下からの良の突き上げでヘロヘロになっちゃう(^^)

”お互いにイったから引き分けだぞ!”って、

赤い顔して言う全がひたすらかわいかったです(^ω^)