しろくまBL部

腐女子のBL覚書

『明治従属タングステン 下』(作者:たつもとみお)

 明治従属タングステン

エドワードは敬愛する亮二の胸の内に、ある男・中原薫(なかはらかおる)
がいるのを知る。エドワードが亮二によって救われたのと同じように、
亮二自身も中原に拾われ、学を与えられたのだった。
「満たされれば巣立つ日も来るだろう」そう言って体までも与えてくれた
亮二のために、少しでも役に立ちたいと願い、懸命に支えようとするが…。

 

亮二さんにけっこう重めの暗い過去がありました。

中原先生宅の書生になる前、奉公していた別の所で、

男たちから乱暴を受けていたんです。

体が弱くて貧弱で何の役にも立たないが、

キレイな顔をしているから俺たちの慰み者にしてやるって(>_<)

好き勝手され放題だったようです…。

 

たまたまその現場を目撃した中原先生が、

亮二さんを自分の所に引き取りました。

というのも、

どれだけ惨めに扱われようと、

いつもシャンと背筋を伸ばし勉学に励む亮二さんを見て、

とても美しいと思うと同時に、強烈に心惹かれたから。

亮二さんの中に眠る幼い情熱を、

自分の手で開花させたい、そう思ったんです。

 

それゆえに、中原奥様の嫉妬を招くことになりましたが、

亮二さんは見事に才能を開かせることができました(^^)

 

亮二さんとエドの関係を、

昔の自分と亮二さんに重ねる中原先生はエドに嫉妬します。

そのポジションは俺だったはず!と。

そして大人げなくエドにマウントを取ろうとするんです。

”亮二は今でも生娘のような声で啼くだろう~♪” って。

ちょっと女々しいマウントですよね(^^;

 

しかしエドは動じません。

必ず亮二さんを手に入れる!という強い想いの元、

ある賭けに出ます。

”この発電所が完成したら東京で学ばせて欲しい” と、

亮二さんに巣立ちを宣言しました。

”俺か俺以外か” じゃないですけど(^^;、

俺か中原先生か、

亮二さんが側に居て欲しいと思うのはどっちか。

 

そして、エドの巣立ちを望んでいたはずなのに、

心がざわざわと波打つ亮二さん。

エドを手放したくないと思い始めてるんです。

中原先生と再会した最初の頃は、

先生との過去の呪縛に囚われていましたが、

その暗い地下牢から手を引いて連れ出してくれたエドに、

いつしか心惹かれている自分がいました。

 

”満たされるまで俺の体を与える” と言ってから、

何度もエドとセッ〇スをしている亮二さん。

しかし、巣立ちを宣言してからのエドは、

なぜかいたずらに触れるだけで、

亮二さんの中に挿入ってこようとしません。

自分ばかり熱を持て余しているようで切なくやりきれず…。

とっくにエドは吹っ切れているようなのに、

割り切れない気持ちを抱えているのは俺だけなんだな…と。

 

そして発電所完成間近、事故が起こります。

発電の不具合に気づいた亮二さんが、

機械を修理するために地下へ降りていることを知らない作業員が、

地下へ進む扉を閉めてしまいました!

暗闇の中に閉じ込められてしまった亮二さんに再び、

昔の悪夢が呼び起こされます。

恐怖で固まる亮二さんは、心の中で何度もエドを呼びます。

 

すると、明るい光りと共にエドの顔が!

(助けに来てくれたーー!よかったーー!≧▽≦)

 

”頼む、戻ってきてくれ!”

”お前を失いたくない!”

”側に居てほしい!” と、思いの丈をぶつける亮二さん。

 

”側に居ていいんですか?” と問うエドは、

自分の元を巣立っていくとばかり思っていた亮二さんに、

”東京には行きませんよ。

あなたにその言葉を言わせるための手段でした” とタネあかし(^^)

 

んっもぅ~エドったら♪(笑)

そんな高等手段身に着けちゃってもう~♪(笑)

 

なんてこと亮二さんは言いませんでしたが、

”俺がお前を満たすから…” と、

自らの身体でエドを攻めました、騎乗位で♪(^^)/

 

上・下巻ともに思ったことですが、

着物Hってなんでこんなにエロいんでしょうね(^^;

これといって大したことはしてないんですけど、

めちゃくちゃ興奮しましたww

はだけた裾もエロいし、亮二さんがふんどしなのも超エロい!

 

ストーリー・エロともにとってもバランスの良い作品でした。

水力発電もわかりやすく描かれていて面白かったです。

上・下巻だからこそ、

2人or3人の関係性がじっくりゆっくり楽しめて、

1冊完結とはまた違った満足感を味わうことができました。

 

エドにマウントを取っていた中原先生の結末、

どうなったと思いますか?

もしかしたら1冊モノなら、

忘れ去られて終わりだったかもしれませんが、

ちゃんとラストが描かれていました。

 

亮二さんに嫉妬の嵐だった中原奥様。

中原先生と亮二さんが、

再び一緒に仕事をしていることを知って、

”旦那様、またあの人とご一緒だったのですね…” と、

ツカツカと歩み寄り ”グサッ” と中原先生の腹をひと刺し!

助かったのか否かまではわかりませんが、

それぞれの結末がちゃんと描かれておりました(^^)

 

これにて、

【複数巻あるBL本ウィーク】祭り終了~(^^)/

もっとパパっと終わらせるつもりだったんですが、

思いのほか刻んでしまいました(^^;

やっぱボリュームありますね、複数巻モノは。

でも、次がある!という喜びがたまらなく嬉しいです♪

 

 

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ <p>BL漫画感想へ
ブログ村、ポチッとよろしくお願いします(^^)