イギリスを拠点に活躍する、新進気鋭の天才画家が、帰国早々行方不明!?
密着取材するはずだった美術雑誌の編集者・吉見(よしみ)は胸中複雑。
迷子の画家・加瀬(かせ)は、実は美大時代の親友で、いまだ想いをひきず
る片恋の相手なのだ。俺を置いて勝手に留学したおまえに、会いたくなん
かなかった!けれど、内心反発する吉見に、編集長からお目付け役として
同居命令が下り!?
漫画でもドラマでも映画でもそうなんですが、
「当て馬キャラが推しになる」ってことありませんか?
主人公とは決して結ばれない永遠の2番手キャラ=当て馬。
そのかなり苦しい立ち位置に、胸キュンを感じずにはいられない。
主人公を想う気持ちは、おそらく全登場人物の中でNo.1!
なんだけど、その想いは届くことはない…(T^T)
残念ながらいつも2番なんです。
”本当はこの人が良いけど、今日休みだから話し相手は君でいいか”
え~え~これ ↑ わたしです(^^;
何においてもだいたい2番です。まだ2番ならありがたい方です。
報われないんですよ…いつだって…。
翌日主人公が現れたら、わたしなんてもう目にも入ってない(T_T)
やべっ、グチがぐちぐちとこぼれ落ちるー!(笑)
自分自身が永遠の2番手だからでしょうか?(^^;
当て馬の気持ちがよくわかる~~。
”俺にしとけよ” と言う南室さんを応援したくなっちゃうんです。
いつまでも加瀬くんを引きずってないで、
吉見くん、すぐ側にいる南室さんに目を向けなさいなと。
美大で同期だった加瀬くんと吉見くん。
2人は付き合って、想い合っていると思っていたけれど、
何のあいさつもなく突然海外留学に旅立った加瀬くん。
何の音信もないアイツに、
”そう思っていたのは俺だけだったか…” と傷つき、
心にくすぶる想いを抱えたまま社会人になった吉見くん。
そして現在、美術雑誌の編集者として働く吉見くんの元に、
なんと加瀬くんが帰ってきました。
何を今さら笑顔で帰って来とんねん!と思う吉見くん。
まぁ当然そうだわな。
捨てておきながらクソみたいにカッコかわいい笑顔を振りまいて
ハグしようとするんだもん。
触んじゃねぇよ!となるもんだ。
だけど、内心は触れてほしかったりするんですよね。
あの頃のように抱きしめてほしいし、キスしてほしい。
いかんいかん!また同じことを繰り返す気か!?と、
想いを振り払おうとする吉見くんなんですが、
ほんと、心っていうのはうまいこといかないようになってます(^^)
どうやっても加瀬くんに向かっちゃうんです。
だめだだめだと思えば思うほどね。
そこに現われたのが、我らが2番手・南室(なむろ)さん。
吉見くんの会社の同僚さんです。
ちょっと軟派で軽薄そうに見えますが、
意外と一途に吉見くんを想っています。
加瀬くんを忘れられずヤケ酒をあおり、
酔っ払った吉見くんと一度、体の関係を持ちましたが、
俺を加瀬くんの代わりに使ってもいいよと。
今は代わりでもいつかは…って、ちゃんとマジメに想ってて。
わたしの気持ちとしましては、
こんなに好いてくれるヤツ、他にいないよ吉見!!って感じでしたが、
やっぱりね本物の「恋」にはかなわなくて…。
どんなに強く想っても、
加瀬くんを超えることはできなかったんですね。
俺では吉見をとびきりの笑顔にしてあげることはできない。
きっと最初からわかってたことだったんだけど、
でも、本当に好きだったから…と、涙ながらに告げる南室さんでした。
間違いなく、南室さん!アンタいい人だっ!
あたしはあなたが好きだよ!
男か女かわかんないけど、
あなたを1番に想う誰かと幸せになってほしい!
そうエールを送って読了いたしました。
主人公の吉見くんと加瀬くんを尻目に、
完全に当て馬目線で読んでしまいました(^^;
やっぱり当て馬が出てくる作品はおもしろいですね。
いろんな角度からストーリーが見れるから。
当て馬の中にはめちゃくちゃいけ好かない人もいたりしますが、
みんな根底には主人公への溢れる愛をお持ちで、
完全なる悪ではないということがわかります。
どうぞ3キャラ3様の目線でお楽しみいただきたいなと思います(^^)
加瀬くん目線で見る場合は、瞳を碧くしてご覧下さい。
今作の外国人枠は加瀬くんでございます。
おばあちゃんがイギリス人の加瀬くんはクォーター。
バックパックの放浪姿が似合う、イイ男です♪